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プラスチックのPVT試験:PlaBase試験動画シリーズ

2022.06.29

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この記事では…

プラスチックのさまざまな試験を動画で紹介します。今回は「プラスチックのPVT試験」についての解説です。

(執筆:水野渡/富山県産業技術研究開発センター)

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・使用機器
PVT試験機
・関連規格
⁠JIS K 7170「プラスチック-設計データの取得及び提示のための指針」など

1.PVT試験機

射出成形のようなプラスチックの成形加工において、(特にCAEの場合)樹脂の圧力(P)-比容積(V)-温度(T)の関係は基礎的なデータである。樹脂の熱や圧力による体積変化は、樹脂特性から種々の挙動を示します。線膨張率は金属などに比べて大変大きく、また、ガラス転移温度や融解温度前後では体積の温度依存性が変化し、圧力によって影響を受けます。このような情報は、射出成形のシミュレーションのような CAE 解析に基本データとなるだけでなく、成形加工時の樹脂の特性を知る上で非常に重要です。

PVT試験機は、図1に示すように、

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図1

ヒーターで加熱・溶融した試料をピストンで一定圧力に加圧します。試料の状態が安定したところで、圧力(P)-比容積(V)-温度(T)を求めます。その後冷却しながら、所定の温度での値を求めます。このような測定を圧力や温度を変えながら繰り返してPVT特性をグラフ化します。測定の一例(PPの場合)を図2に示します。

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図2

PPでは、150℃前後で結晶化による大きな体積変化が見られ、その前後で線膨張率が変わることや、試験圧力により結晶化温度がシフトすることが分かります。また、条件範囲外の挙動はグラフを補外することで推定することができます。

2.試験機

PVT試験機は、シリンダー、ピストン、ヒーター、温度センサー、ロードセルなどから構成されます。試験温度範囲:室温+5~400℃、最大加圧力:200MPa、変異測定範囲:10~25mm(1μm分解能)、データ解析:PVTデータ、PVT結晶化シミュレーション。

3.試料

試験時の試料の発泡や分子量低下を防ぐため、残留モノマー含有量、ガスの巻き込み、湿気などに対して適切な前処理や状態調節を行います。

4.試験条件

 測定時の温度範囲、圧力範囲、測定点数を決定します。測定時間が長くなると材料が熱劣化を起こすので成形条件に近い範囲内で設定します。

5.報 告

前処理、状態調節、試験方法、試験条件、PVT特性、試験後の試料の状態などを報告します。

6.参考文献

・大阪市立工業研究所 プラスチック読本編集委員会 プラスチック技術協会共編,プラスチック読本,プラスチックス・エージ(2015)

(文責:富山県産業技術研究開発センター 水野 渡)

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水野 渡(みずの・わたる)

2024年 合同会社水野商会 代表社員、プラスチック成形(射出成形作業)1級技能士。

⁠富山県下新川郡入善町下山(にざやま)出身。1987年に富山大学理学部を卒業後、富山県庁も入庁し、富山県工業技術センター(現:富山県産業技術研究開発センター)で、プラスチック関連技術の研究などに従事。