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アンダーカットの処理その1 スライドコアの基本構造:射出成形の基本(15)

2022.06.27

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この記事では…

アンダーカットの処理方法の1つ、スライドコアの基本構造について解説します。

(執筆:落合孝明/モールドテック)

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通常の固定側と可動側の型の開きでは取り出すことのできない形状をアンダーカットという。金型でアンダーカットの部分を処理するためにはアンダーカット用の機構を設定する必要がある。

アンダーカットの処理方法はいくつか種類があるので、アンダーカットの形状や製品のショット数などの条件によって最適な方法を選択しなければならない。

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例えば、左の断面のような製品に横穴が空いているような形状の場合。その横穴は通常の肩の動きでは処理ができないので右の図の用に別部品を設定して処理する必要がある。

上図の断面のようなアンダーカットを製品の外側へ処理する方法として最も一般的な方法がアンギュラースライドによる処理方法で、通常の金型の固定側と可動側の型開きを利用した処理方法になる。その基本構造は次のようになる。

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  • スライドコア:アンダーカット部分に設定されているコマ。型の開きによってスライドコアが稼働しアンダーカットを処理する。
  • アンギュラーピン:固定側に斜めに設定されたピン。このアンギュラーピンが型開きの際にスライドコアを稼働させる役目をする。
  • スライドストッパー:移動量以上にスライドコアが下がり過ぎてしまうのを防ぐための部品。スライドストッパーとしてはブロックやボルトなどを利用する
  • ガイドレール:スライドコアが可動する際に、上下のがたつきを押さえその動きをガイドする役目をする部品。

これらの部品で構成されたスライドコアは次のような動きでアンダカット処理を行う

1.樹脂が型内に充填されている状態。型は閉じている。

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2.型が開きはじめると、斜めに設定されているアンギュラーピンがスライドコアを下げる。

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3.型が開ききったときには、スライドコアが完全に製品部から外れている。

スライドの移動量はアンギュラーピンの角度と長さで決まるので、確実にアンダーカットが抜けるようにアンダーカットの量+αとなるようにアンギュラーピンを設定すること

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4.スライドコアが製品部から完全に外れた後、エジェクターピンなどの押し出し機構によって製品を突出す。

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5.製品を取り出した後、型を閉じる。この時、アンギュラーピンによってスライドコアも元の位置に戻る。

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アンダーカット量の大きさや形状によってはシリンダーなど別の部品を用いたりすることがあるが基本はこの動作を繰り返すことで成形を進めていく。

次回へ続く

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著書

『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』 (日刊工業新聞社)

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落合 孝明(おちあい・たかあき)

1973年生まれ。株式会社モールドテック代表取締役(2代目)。デザインとエンジニアリングの両面から製品開発の支援をする設計屋。アイデアや現品からのデータ製作や製造手配まで製品開発全体のディレクションを行っている。文房具好きが高じて立ち上げた町工場参加型プロダクトブランド『factionery』では、第27回日本文具大賞機能部門優秀賞を受賞している。

著書:『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』 (日刊工業新聞社)

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