SABIC、次世代光通信、及び5G 基地局向け リフローはんだ実装可能な樹脂など3材料を新たに市場に投入:PR
2022.10.05
ここ数年での一般ユーザーにおけるインターネットなどへの接続環境への多様化は、さまざまな用途において広い帯域幅、および通信速度の向上へのニーズを加速させている。既存の技術では限界に近付いてきているところもあり、新しい技術が必要とされてきている。
光通信技術においても、高速通信の観点から、プラガブル接続から、デバイスパッケージ内での処理へと移行しつつある。また、データセンターの大型化及び、データの大容量化に伴い、従来のマルチモード光ファイバーに変わり、シングルモード光ファイバーの採用も増えつつある。一方、世界的に広がってきている第5世代移動通信システム(5G通信)においては、アンテナ技術の重要性がますます高まっている。
SABICではこれらの用途において、材料設計及び生産方法での課題に対して、適切な材料を開発、提供している。
オンボード光モジュールにおいての耐熱性への課題
データセンターやモバイル通信用途において、光通信技術は電子デバイスとバックエンドにある設備とのシームレスな接続において重要な役割を果たす。
SABICではこの数十年に渡り、ウルテム™樹脂やエクステム™樹脂と呼ばれるポリエーテルイミド(PEI)樹脂を、光通信業界に提供し続けている。可視光域では琥珀色であるが、光通信で使われる近赤外線域においては高い透過性を持つ、テレコ―ディア規格を満足する材料である。

従来の光通信トランシーバーはコンピューターなどへのプラクインタイプが主流であったが、データ処理速度を上げるには光トランシーバーをプリント基板上の CPU に近づけることが必要とされる。これらの基板生産時にはリフローはんだ付プロセスが主に使われるが、ピーク温度260℃と高温にさらされるために、この温度に耐えられる光学材料が必要とされていた。
260℃リフローに耐えられる透明光学材料、エクステム™ RH1016UCL樹脂

エクステムRH1016UCL樹脂はオンボード光通信への対応を目的とした新規開発グレードである。ピーク温度260℃の鉛フリーはんだ付工程を通しても強度や寸法精度を維持できる。エクステムRH1016UCL樹脂を使ってレンズ形状に成形された部品においても、JEDEC J-STD-020Aに準拠するはんだ付工程での耐性も実証済みである。材料のガラス転移温度が一般的に使われるピーク温度260℃より十分に高いためである。
優れた近赤外線での透過性

エクステムRH1016UCL樹脂は光通信で使われる近赤外線の波長において優れた透過性を示す。
リフロー後でも優れた光学特性を維持

JEDEC準拠 ピーク温度260℃のリフロー試験を3回通した後でも、光信号のシグナルロスは最大で0.2dB であった。また目視での観察でもブリスタリングなどの不良は確認できなかった。また、長期エージング試験においても大きなシグナルロスの変化は確認できなかった。
優れた寸法安定性

同様のリフローテスト試験後において優れた寸法安定を示した。レンズのピッチ間距離やアライメントピン間の距離でも数ミクロン程度であった。
光学用途向けポートフォリオ UCLプロセス
SABIC独自のUCLプロセスを適応することで、異物混入での不良率改善や、また独自のパッケージングにより輸送中や、倉庫保管中での外部からのほこりなどの侵入を抑えて、クリーンルーム環境での樹脂の成形をサポートしている。
新規開発グレード エクステム™RH1016UCL樹脂をはじめ、光学用途向けウルテム™樹脂やエクステム™樹脂にもUCLプロセスを導入し、光学用途向け材料の充実を加速する。


マルチモードからシングルモード光通信への樹脂低線膨張化へのチャレンジ

ウルテム樹脂はマルチモードファイバーの発光ならびに受光モジュールレンズとして長年実績のある材料である。しかし、大量のデータを伝送するためにはマルチモードファイバーでは限界があり、その解決策としてシングルモードファイバーの採用が増えつつある。シングルモードファイバーはマルチモードに比べてファイバーコア径が小さいためレンズに求められる寸法精度は、より厳しいものとなる。従ってシングルモードファイバー用の発光ならびに受光モジュールレンズでは寸法安定性がより重要となり、ウルテム樹脂の線膨張係数をより小さくする必要があった。
新規開発グレード ウルテム™ 3310TD樹脂、低線膨張光学向けグレード

シングルモードファイバーで求められる寸法精度を実現するため、線膨張係数を低くしたウルテム3310TD樹脂を開発。これはマルチモード向けで長年採用実績のあるウルテム1010樹脂に、SABICの特殊フィラー技術を配合することにより、近赤外線領域での光透過率や、光の屈折率などを維持したまま、線膨張係数を低くすること達成した。
ウルテム 3310TD樹脂と1010樹脂との物性比較

5G向けマイクロセルの軽量化への挑戦
モバイルデータ通信ネットワークにおいて、広い通信領域をカバーするためのマクロセルは、5Gネットワークの世界的な普及において重要な役割を担っている。マクロセルは何十億ものデバイスを接続することから、Massive MIMOアンテナ技術を使用して無線信号を送受信している。これらのMassive 5G MIMOシステムは、多くの小型アンテナを使用して、十分な帯域幅をユーザーに提供している。一方、Massive MIMOアンテナ技術は、5Gマクロセルの重量とサイズの増加を引き起こす。これは単に初期設置コストへの影響だけでなく、アンテナタワーへの物理的な重量限界を招くことになる。

アルミより40%軽いSMT対応の新材料 ウルテム™ 3473樹脂

金属製のキャビティRFフィルターは、その高いフィルトレーション性能と信頼性の観点から、Massive MIMOアンテナの主要部品として、今も使用されている。SABICが開発したウルテム3473樹脂は、アルミに比べて40%程度軽く、かつ、優れた低線膨張特性、SMTプロセス対応の高耐熱、金属蒸着後の優れた表面外観性の特徴を持っており、アルミ代替の候補として挙げられている。

ウルテム™ 3473樹脂によるアンテナとフィルターの統合
さらに、この新しい材料を使うことで金属では難しかった、アンテナとフィルターの統合ユニット(AFUs)の設計を可能とする。射出成形を用いることで、ダイポールアンテナとRFフィルターのケースを一体化することができる。このアプローチは生産工程を簡素化し、さらなる軽量化とシステムコストの削減につながる可能性がある。

金属代替として多くの用途に使用実績のあるウルテム樹脂
ウルテム樹脂は、5Gネットワーク製品向けの優れた候補材であるだけでなく、金属の代替として電気・電子や産業分野など、他の用途にも適用できる可能性がある。お客様からの材料、及び加工性へのご要求にお答えするため、様々なグレードを用意している。

お知らせ1【ケミカルマテリアルJapan2022 ONLINE出展のお知らせ】
2022年10月17日(月)から28日(金)開催のケミカルマテリアルJapan2022 ONLINE に出展します。
「先端化学材料・素材総合展」にて素材を中心に、最新の業界のトレンドをおさえた以下のテーマに沿ったソリューションをご紹介いたします。是非、弊社ブースへお立ち寄り下さい。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
名称 :ケミカルマテリアルJapan 2022 ONLINE
開催期間 :2022年10月17日(月)10:00 開始、同年10月28日(金)17:00 終了(24時間 開催)
公式サイト: https://www.chemmate.jp/
入場料 :【無料】オンライン特設会場 (事前登録制)
主催 :株式会社 化学工業日報社
出展内容 :
1.低誘電PPEオリゴマーによる高周波用途へのご提案
2.特殊酸二無水物(BPADA)による低誘電ポリイミドへのご提案
3.芳香族ポリオールによるポリウレタン樹脂の特性改善
4.特殊酸二無水物(BPADA)によるエポキシ樹脂の耐熱性の改善
5.高耐熱ブレンド
6.リフロー対応熱可塑性透明樹脂
7.SABICの提供するサステイナビリティソリューション
(テーマは本記事作成時のものでして、予告なく変更する場合があります。)
お知らせ 2【日本語ウェブサイトのお知らせ】
SHPPジャパン合同会社SABICスペシャリティー事業部の日本語ウェブサイトをご紹介します。サイトでは、弊社のグローバルネットワークからの情報の発信、製品の紹介および、各種資料などのダウンロードが可能です。
皆様へのサービス向上のため、コンテンツの充実に努め、さまざまな情報を皆様に発信して参りますので、ぜひご活用いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
■PlaBaseWebサイト内に開設
SABICスペシャリティー事業部製品紹介サイト
記事提供:SHPPジャパン合同会社

PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。
