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「スミカエクセル PES」とは――「高熱処理」「ウイルス消毒」「食材調理」「細胞研究」などで活躍:PR

2022.12.07

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前回は大手総合化学メーカーの住友化学の液晶ポリマー「スミカスーパーLCP」における、第5世代通信(5G)機器の設計に有効な液晶ポリマー開発材料と材料特性について詳しく解説した。

今回は同社の非晶性ポリマー「スミカエクセル PES」を取り上げる。スミカエクセル PESはポリエーテルサルホン(PES)であり、高耐熱性と非常に優れた特性を幾つも併せ持つ「スーパーエンジニアリングプラスチック」のひとつである。スミカエクセルPESは、PESの代表特性である耐熱性に加えて耐クリープ性・寸法安定性・難燃性・耐熱水性などの特長を有する。また素材色はほんのり琥珀色を帯びた透過色である。

超高耐熱で衝撃にも強いスミカエクセル PES

スミカエクセル PESは高温環境にさらされても変形や溶融が起こらないうえ衝撃にも強い。さらに高い寸法精度の成形品も製作できる。またクリープ変形し難いためバネ部材としても適する。用途の分野は自動車や航空機など輸送機器、電子電機、食品関係、雑貨・消費財と非常に幅広い。

スミカエクセル PESは200度を超えるほどの超高耐熱性能と長期の耐クリープ性と併せ優れた難燃性を備える。さらにマイクロ波による加熱にも耐え得る。熱伝導性にも優れており熱源から離せば速やかに放熱され冷却しやすい。加熱した際にはガスや溶出物も非常に発生し難いため難燃剤フリーでUL94 V-0を達成していることから環境負荷の低減にも貢献できる。

そうした特長から「熱湯を通すパイプやバルブ、高温の水蒸気を用いるスチーム処理を通す器具や油脂にさらされる調理器具などに使用できる。食材をカットすると共に加熱処理をするような食材加工機の部材としても多用されている。スミカエクセル PES製の調理器具は加熱調理の際にまんべんなく熱が伝わりやすいことも利点だ」と住友化学の機能樹脂事業部エンジニアリングプラスチックス部長の原田 博史氏は説明する。

また、スミカエクセルPESは、熱水や熱蒸気を用いた繰り返し滅菌や消毒に対しても非常に劣化し難い。洗浄の際には一般的な洗剤と併せて漂白剤も使用できる。そのため食中毒発生を防止しなければならない食品調理・加工関係はもちろんのこと衛生に配慮しなければならない他工程や器具にも適する。そうしたことからウイルスや細菌感染の対策にも適する。

スミカエクセル PESは加熱処理用容器の蓋にも用いられている。スミカエクセル PESの素材色は透過色であるため加熱処理を施している中の様子が確認しやすい。そのため調理中に蓋を開けて中身を確認する手間を減らすことができる。併せて蓋を開けた際に外気が入り込むことによる温度変化を防ぐ効果もある。

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スミカエクセル PESの成形品例:電子レンジ用蒸し器

「例えば、ガラス瓶は煮沸消毒を行う場合がよくある。ガラス瓶の数が多くなれば結構な重量になって持ち運びも大変になる。それでは作業をする人の身体にも負荷が掛かって体力もいる。うっかり転倒してしまえば容器が破損してしまいケガにもつながる恐れがある」(原田氏)。ガラスで作られたものをPESで作れば非常に軽量になる。よって作業者にかかる負担を軽減したり、万が一に備え現場の安全を確保することに有用である。同様に大きなサイズのガラス製バッドもPES製であれば軽くなって扱いやすくなる。

製造業など産業での特殊用途ばかりではない。「『電子レンジ』『スチーム調理器具』『フードプロセッサー』『コーヒーメーカー』『食器』などわれわれの生活の身近にある製品でもスミカエクセル PESはよく使われている」と原田氏は言う。

スミカエクセル PESは熱可塑性樹脂である。そのため射出成形をはじめとするさまざまな加工方法を選択することが可能である。成形収縮率は非強化品で0.6%と小さくかつ異方性がない。線膨脹係数も小さくて温度依存性も低い。このように加工しやすくて成形安定性も高い素材であるため細やかで複雑な意匠を凝らした雑貨や食器の製作も行える。

スミカエクセル PESは食器類でよく採用されている。米国、欧州および日本の食品接触容器(食器)用材料としての規格を満たすグレードも備えている。軽量かつ丈夫であるため子ども用あるいは高齢者用の食器にも最適である。

スミカエクセル PESは透過色であることからガラス製品の代替でよく使用されている。前述のとおり実際はほんのり琥珀色をしており、やや温かみのある透過色になる。着色することで青みを帯びた透過色や非透過色などに調整することも可能である。

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スミカエクセル PESの成形品例:コップ

ガラスからスミカエクセル PESに置き換える大きなメリットとしては「軽量になること」と原田氏は説明する。ガラスの比重が2.5であるのに対してスミカエクセル PESの比重は1.37である。よって製品重量は約半分になる。その上落下させたり何かにぶつけたりしたとしてもガラスのように割れて飛び散ることもなく、安心して安全に使用できる。

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スミカエクセル PESの成形品例:(左上)ボトル、(右上)洗浄用コンテナ、(下)フードパン

原田氏は、「航空機でキャビンアテンダントが乗客にコーヒーをもてなすときに使うコーヒーサーバーや機内食のトレーでも採用実績もある」と説明する。軽量で扱いやすければキャビンアテンダントもコーヒーや食事を運びやすくなる。不意に大きく揺れる機内で万が一落としてしまっても割れて破損することがなくて安全確保しやすい。特にコーヒーの色はスミカエクセルPESの色である透明の琥珀色ともマッチしているため、サーバーを違和感なく使用できる。

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(左)機内食トレー、(右)コーヒーサーバー

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スミカエクセル PESの成形品例:機内食の食器

溶かして使う、スミカエクセル PESのパウダーグレード

スミカエクセル PESにはペレットの他に、パウダーもグレードラインナップ化している。スミカエクセル PESのパウダーを溶媒に溶解させることでプライマーや薄膜として使用することもできる。中空糸膜やキャスト膜(平膜)も加工できる。ほかにも接着剤や塗料・コート剤の材料としても用いられる。食品関係では酒類や荷重を加工する際のろ過膜にも使用されている。

フライパンなどの非粘着塗装にも用いられる。

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非粘着塗装を施したフライパン

「人工透析や血液治療などの血液ろ過膜などでよく使われている。顧客からは品質の安定性やコンタミの少なさなどが評価されている」(原田氏)。スミカエクセル PESはタンパク質の吸着性が低いため細胞医学や再生医療などに用いる器具での需要も増えてきているという。

なお今回紹介したスミカエクセル PESの材料特性などについて特設Webサイトで詳しく紹介しているので併せてご覧いただきたい。

>>スミカエクセルPES

住友化学が取り扱うスーパーエンプラについても以下のWebサイトで確認できる。

>>住友化学エンジニアリングプラスチックス部

スミカエクセルPESのPDFカタログはこちらから。

>>スミカエクセルPES、PDFカタログ

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PlaBase編集部
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