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PET(ポリエチレンテレフタレート)とは?:PlaBase プラスチック事典

2022.11.21

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PETとは…

PETはポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)の略語。ISO規格のプラスチック略語ではPETに統一されている。繊維、フィルム、ボトル、射出成形用途などに幅広く使用される。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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[特徴]

①溶融紡糸した繊維(糸)は、強い、腰が強くシワになりにくい、吸湿しにくく乾燥が速いなどの特徴があります。ただし、繊維はプラスチックには分類されていません。

②延伸ブロー成形したボトルは透明で良光沢である、ガラスに比較して軽い、内容物を入れて落下しても割れない、食品衛生性が優れるなどの特徴があります。

③2軸延伸したフィルムは透明性、高強度、高耐熱性、良耐薬品性などの特徴があります。

④ガラス繊維強化材料の射出成形品は高耐熱性、高強度、難燃性などの特徴があります。

PETはポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)の略語です。ISO規格のプラスチック略語ではPETに統一されています。日本語では「ペット」と表現しますが、英語では「ピー・イー・ティ」と言うことが多いです。

PETは1941年に英国の化学者ウインフィールドによって見いだされ、1948年にICI社(英国)やデュポン社(米国)が繊維として工業化しました。

PETは「テレフタル酸」と「エチレングルコール」の2つの化学原料(モノマー)から作られます。PETは結晶性プラスチックに分類されますが、結晶化する速度が遅いので通常の成形ではほとんど結晶化しません。そのため、透明性は優れていますが強度が低いという課題があります。対策として成形するときに引き伸ばすことで強度を向上させます。引き伸ばすことを延伸と言います。

PETは繊維、フィルム、ボトル、射出成形用途などに幅広く使用されています。

PET繊維は、溶融樹脂を細いノズルから押し出して延伸して繊維にし、繊維をより合わせて糸にします。この方法を溶融紡糸法と言います。糸を織物にして衣類などに加工します。コットン、ウール、シルクなどの天然繊維に対し、PET繊維は合成繊維と呼ばれます。 PET繊維は強い、腰が強くシワになりにくい、吸湿しにくく乾燥が速いなどの特徴があることから、衣類用繊維として広く使われています。


PETボトルは延伸ブロ―成形法によって作ります。成形法にはホットパリソン法とコールドパリソン法があります。コールドパリソン法の例を図1に示します。

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図1 延伸ブロー成形法(コールドパリソン法)

引用文献:高分子学会編、プラスチック加工技術ハンドブック、p.828, 日刊工業新聞社(1995)

まず、射出成形工程では試験管状成形品(プリフォーム)を成形します。このときに口部をねじ形状にしてねじ精度を出しています。ブロー成形工程では、まずプリフォームを再加熱します。次にブロ―金型に移して縦方向に延伸した後、圧縮空気で膨らますときに径方向に延伸することで2軸延伸します。PETボトルは透明で良光沢がある、ガラスに比較して軽い、内容物を入れて落下しても割れない、食品衛生規格(注1)に適合する、口部のねじ精度が高い(内容物の漏れがない)などの特徴があります。これらの特徴を活かして清涼飲料、特定調味料、酒類などのボトルとして使用されていています。

PETフィルムは押出成形法で作ります。押出機で溶融させてフィルム状にして押し出すときに、押出方向と垂直方向に2軸延伸することによって高強度の透明フィルムが得られます。PETフィルムは、透明性、高強度、高耐熱性、良耐薬品性などの特徴があります。これらの特徴を活かして工業用フィルム(磁気テープ、写真フィルム、コンデンサー、トレーシングペーパ、粘着テープ)、包装フィルム(レトルト、ボイル、インスタントラーメン、ポップコーン)などに使用されています。

PETにガラス繊維を充填した成形材料は射出成形に使用されています。結晶化しにくいので、金型温度を高くして結晶化を促進しています。成形品は高強度、高耐熱性、難燃性(難燃剤添加)であることから、電機用途を中心に電子レンジ部品、コイルボビン、コンデンサーケース、アイロン断熱板、ホットプレート部品などに使用されています。

執筆者注:

注1:厚生労働省告示第370号の規格基準(個別規格)に適合している。

   

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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数