顧客が動いてからでは遅い! 成形工場のSDGsは具体的にどうするべきか(前編):PR
2022.11.28
成形工場も取り組みは必須に――製造業をめぐるSDGsの現状
2020年10月、日本政府がCO2を含む温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。以来、国内では、「カーボンニュートラル」や「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」といった言葉が巷で頻繁に聞こえてくるようになりました。
製品やプラスチック材料を開発するメーカー各社では、SDGs関連部署やプロジェクトが立ち上がったり、製品が企画されたりといった動きが見られます。そしてメーカーから仕事を受託する成形工場側も、そうした動きを注視し始めています。とはいえ、成形工場側からすれば、実際は、顧客の具体的な動き次第というところもあって、自社ではあまり積極的に動いていないという企業が今もまだ多いのではないでしょうか。
今日のSDGsで掲げられる環境負荷対応は、これまで製造業で長年推進されてきたISOとは考え方の根本が異なるものです。企業単体ではなく、サプライチェーン全体を包括して取り組むことで社会の環境負荷低減へ貢献しなければならないためです。メーカーのサプライチェーンの一員である成形工場も、メーカーで掲げるSDGsやESG実現にかかわります。SDGs対応をするにあたり、メーカーは自社だけではなく、部品製作を依頼するパートナーである成形工場の体制や設備も見直す必要があります。一方、成形工場側は、顧客の要望が実際にあってから、「これから準備しますので」と具体的に動いていたのでは遅いかもしれません。
成形工場がSDGsのためにできる現実的な策は、一体、何があるのでしょう? 以降では、成形工場で打てるさまざまな具体策のうち、「エネルギーのムダ」「プラスチック材料のムダ」の2テーマに絞って解説します。
1.「エネルギーのムダ」への具体的対処
「省エネ」は、自社の電力コスト削減というだけでなく、電気を作り出す工程でのCO2排出の低減を意味します。成形工場の場合、成形機は多くの電力を使い、たくさん稼働しているため、まずその省エネが有効になりそうと考えるかと思います。
しかし、生産力を支える成形機で省エネをしたり、稼働をおさえたりしたら、かえってビジネスが損害を被るのではないかとも考えるかもしれません。しかし、それは油圧式成形機が主流であった頃の常識であり、電動式成形機が普及する今では事情が違ってきています。
「省エネ」といっても、空調の使用を控えて暑さを我慢すればよいの?
電動式成形機は油圧式成形機と比較して消費電力量が40~50%程度と大幅に少なく、既に従来よりも圧倒的に消費量が抑えられているためです。
そこで着目すべきなのが、乾燥機、温度調節器、輸送機、空調など周辺機器の電力です。以下の図では、成形機と各種周辺機器の消費電力について、一例として比較しています(図1)

図1 成形現場工場における電力消費シェア 一例。松井製作所調べ(出所:松井製作所)
図1の例では、乾燥機が工場の電力消費量の43.1%と、最も多い割合を占めていることが分かります。一方、成形機は30.2%ほどです。
もう1つ、着目したいのが、乾燥機を含む周辺機器は、成形機本体が稼働していなくても稼働しつづけているということです。つまり、それらが放熱をし続けるため、常に空調でコントロールしなければいけないということになります(図2)。

図2:成形機が休んでいる間にも、周辺機器は働いている……(出所:松井製作所)
そうかといって周辺機器から省エネにしようということで、例えば空調の使用をおさえてしまえば、成形機のパフォーマンス低下や故障の原因になる上、作業者の体力や精神力を奪うことになって、それが生産性の低下へつながってしまいます。
そうしたことを考えても、一番電力を消費する乾燥機での省エネ対策が有効かつ取り組みやすいということが分かります。乾燥機自身もさまざまな放熱対策が講じることができ、近年ではセンサーと連動して消費電力を抑える仕組みを備えたものも登場しています。さらに、乾燥機から排熱を回収して、それを乾燥処理に再利用するといったことも可能になっています。
>>後編「2.プラスチック材料のムダへの具体的対処」に続きます。
インフォメーション
新製品・樹脂乾燥機「MJ6-i」
松井製作所の新製品「MJ6-i」は、樹脂の乾燥状態を監視して乾燥風量・再生風量をコントロールし、最適な乾燥状態を維持する機能を搭載。さらに樹脂量や成形機の稼働状況に合わせて必要最小限のエネルギーで稼働することも可能です。

MJ6-i(出所:松井製作所)
>>MJ6-iについて、詳しくはこちら
SDGs先進企業・松井製作所
プラスチック成形用合理化機器およびシステムの製造販売を行う松井製作所は、今のようにSDGsが声高に叫ばれるようになる以前である2006年ごろから、地球温暖化問題にとどまらない環境配慮の取り組みをしてきました。同社では、SDGsとも大いに関連がある、「豊かさ2倍、資源消費半分」を目指す「factor4」の概念をビジョンに、成形工場向けのさまざまなソリューションを提案しています。
また、同社Webサイトでは、成形現場のSDGsに役立つコラムを多数掲載。本記事と併せてご活用ください。
>>詳しくは、「松井製作所の「factor4」の取り組み」
>>factor4 コラム
また、「より少ない資源で、より多くの量と大きな付加価値を生み出す」成形の普及を促進する、「グリーン・モールディング・ソリューション協会(AGMS)」の中心メンバー企業としても活動しています。
>>エネルギーのムダをなくす(グリーン・モールディング・ソリューション協会)
記事提供:株式会社松井製作所

PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。
