顧客が動いてからでは遅い! 成形工場のSDGsは具体的にどうするべきか(後編):PR
2022.11.28
2.プラスチック材料のムダへの具体的対処
次に着目したいのが、「プラスチック材料のムダ」です。主に、「材料替えごとの混ぜ残りのムダ」「成形ショットごとのスプルー・ランナーのムダ」「不良品のムダ」が挙げられます(図3)。

図3:成形時の材料のムダ(出所:松井製作所)
① 「材料替えごとの混ぜ残りのムダ」への対処
まず、「もったいない」と思うシーンが、成形材料の切り替えや色替えでのプラスチックの廃棄ではないでしょうか。
製造業では、市場の多様化を受け、これまでの大量生産から、多品種少量生産に置き換わってきています。そのトレンドを受け、成形工場では、材料交換の頻度が高くなってきています。成形材料の切り替えや色替えは手間がかかるだけでなく、装置内に残った材料は次の成形品に混ざらないよう全廃棄しなくてはなりません。
さらに、廃材リサイクルの取り組みが既にあるという工場では、リサイクル材や軟質性の材料などを使用した際に、乾燥ホッパ―コニカル部でブリッジが発生して詰まるといったトラブルに見舞われるケースがあります。一度詰まってしまうと、成形機を止めてスクリュー内に残留したプラスチックをパージする必要があるため、ムダなプラスチックの廃棄が生じるだけでなく、その都度手作業で取り除くなどの手間が発生し、生産計画にも支障が出てしまいます。
この問題は、色替えを効率よく行えるミキシングノズルや、使用する材料や状況に応じてマスターバッチ(着色剤)投入を制御できる配合装置などを検討・採用することで解決できます。
② 「成形ショットごとのスプルー・ランナーのムダ」への対処
成形工場で日々大量に廃棄されるスプルーやランナーですが、素直に「もったいない」と思うことがよくあるのではないでしょうか。特に、小型精密成形品では、製品本体より、スプルー・ランナーの比率の方が大きいということもあります。
しかしスプルーやランナーを再利用する際に使用する粉砕機の中には、ミスカットや粉立ちの多いものもあり、粉砕材の利用が成形不良になることがあります。さらに粉砕機は成形品の色や材料の種類を変えるごとに清掃をしなくてはならず、こうした手間も大きな負担です。
また強度や耐熱性を強化したエンジニアリングプラスチックでは、ペレタイザーを用いた廃材リサイクル後の機械特性は著しく低下してしまうものであり、再利用はあり得ないとされてきました。
いくらリサイクルが推奨されるといっても、顧客の要求仕様を満たせない、歩留まりが著しく低下してしまうのであれば本末転倒です。
これらの問題は、ミスカットや粉の発生を抑制しメンテナンスを向上させた粉砕機やエンジニアプラスチック対応のペレタイザーを選定することで解消できます。併せて成形機のプラスチックの使用量に合わせて材料供給量を調整できる配合装置なども活用することで、材料のムダのさらなる削減が可能になります。
③ 「不良品のムダ」への対処
さらに、プラスチックのムダをなくすために最も効果的な対策は「成形不良を削減すること」です。
成形不良となる要因は様々ありますが、主な原因として、成形の段階で樹脂が適切な乾燥状態となっていないということが挙げられます。過乾燥については樹脂の乾燥状態をモニタリングしての適正乾燥が可能ですが、乾燥不足は、実は、乾燥機から成形機への輸送工程での材料の滞留や残留時の再吸湿による場合が多いのです。
この、材料の滞留・残留を防ぐ方法として、使用する樹脂量だけを送り切るバッチ輸送方式があります。既存のローダーを利用して、ホッパ下部にプッシュダンパーを取り付けるだけで、材料の残留を防止できるバッチ輸送システムを構築できます。
古い機器を使い続けながら、情報のアップデートも止まっていないか?
日々、多忙な業務に追われ、長年機械を使い続ける中で、成形機や周辺機器について、社内の知見や情報もアップデートされていないといったことはないでしょうか? もしかして「これはできない」とずっと思っていたことが、今はあっさりできるようになっているかもしれません。
世の中のSDGsへのプレッシャーの強まりを受けて、さらに取り組みを強化しているのは、成形機や周辺機器を取り扱うメーカーも同じです。もしそのようなことが思い当れば、今回の解説を参考に、ぜひ情報収集をはじめて、成形機や周辺機器を取り扱うメーカーから話を聞く機会を積極的に設けてみてはいかがでしょうか。
松井製作所、K 2022に出陣!
松井製作所は、2022年10月19~26日、ドイツで開催された国際プラスチック・ゴム産業展「K 2022」にも出展。成形工場向けIoTシステム「MATSUI式 IoT」や、省エネ乾燥機や粉砕機の実演などを実施しました。

K 2022の松井製作所ブース

粉砕機のデモの様子
インフォメーション
新製品・樹脂乾燥機「MJ6-i」
松井製作所の新製品「MJ6-i」は、樹脂の乾燥状態を監視して乾燥風量・再生風量をコントロールし、最適な乾燥状態を維持する機能を搭載。さらに樹脂量や成形機の稼働状況に合わせて必要最小限のエネルギーで稼働することも可能です。

MJ6-i(出所:松井製作所)
>>MJ6-iについて、詳しくはこちら
SDGs先進企業・松井製作所
プラスチック成形用合理化機器およびシステムの製造販売を行う松井製作所は、今のようにSDGsが声高に叫ばれるようになる以前である2006年ごろから、地球温暖化問題にとどまらない環境配慮の取り組みをしてきました。同社では、SDGsとも大いに関連がある、「豊かさ2倍、資源消費半分」を目指す「factor4」の概念をビジョンに、成形工場向けのさまざまなソリューションを提案しています。
また、同社Webサイトでは、成形現場のSDGsに役立つコラムを多数掲載。本記事と併せてご活用ください。
>>詳しくは、「松井製作所の「factor4」の取り組み」
>>factor4 コラム
また、「より少ない資源で、より多くの量と大きな付加価値を生み出す」成形の普及を促進する、「グリーン・モールディング・ソリューション協会(AGMS)」の中心メンバー企業としても活動しています。
>>エネルギーのムダをなくす(グリーン・モールディング・ソリューション協会)
記事提供:株式会社松井製作所

PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。
