PAは、アミド結合という分子鎖を有するプラスチックの総称。英語の化学名はPolyamide(ポリアミド)であり、国際規格(ISO)のプラスチック略語はPAに統一されている。もともと商品名であったナイロンという名称が一般化している。
PA(ポリアミド)とは?:PlaBase プラスチック事典
2022.12.14
PAとは…
(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

[特徴]
①多くの種類がありますが、代表的なPAはPA6とPA66です。
②耐摩擦摩耗性、耐疲労性、耐薬品性、ガスバリア性(ガスを透過しにくい性質)などが優れています。
③繊維強化すると耐熱性、強度・弾性率、寸法安定性が大幅に向上します。
アミド結合という分子鎖を有するプラスチックの総称です。英語の化学名はPolyamideですので、国際規格(ISO)のプラスチック略語はPAに統一されています。
1939年にデュポン社(米国)がPA66の生産を開始しました。「くもの糸よりも細く、スチールより強い」というキャッチフレーズで、「ナイロン」の名称で合成繊維向けに売り出したことから、ナイロンという名称が一般的に使用されるようになりました。一方、1942年にドイツのI.G社がPA6の生産を開始しました。 PA6,PA66は合成繊維として使用され始めましたが、1950年頃からプラスチック(成形材料)としても使われるようになりました。
PAとしてはPA6とPA66の使用量が多いですが、その後いろいろな種類が開発されています。各PAの名称はPA〇〇として表し、〇〇から使用した化学原料を区別できるように表示されています。表1にPAの種類を示します。

表1:PAの種類
化学的な説明は割愛しますが、石油原料から作られるPAには脂肪族PAと半芳香族PAがあります。また、植物原料から作られるバイオPAもあります。
①脂肪族PAはPA6,PA66を中心に汎用的に使用されています。
②半芳香族PAは脂肪族PAの強度、耐熱性、吸水性などを改良したもので、スーパーエンプラに匹敵する性能を有しています。
③バイオPAは植物(ひまし油)を原料とするPAです。すべて植物原料から作られた全植物由来PAと石油原料を一部に用いた部分植物由来PAがあります1)。
PA6
次にPAの中で最も多く使用されているPA6を例に説明します。表2にPA6の用途と利用している特徴の関係を示します。

※モノフィラメント押し出し製品(急冷・延伸)
表2:PA6の用途例と利用している特徴
耐疲労性、耐摩擦摩耗性、耐薬品性、ガスバリア性などが優れています。吸水率が高く、
耐熱性もそれほど高くはないですが、ガラス繊維などの強化材で強化すると強度や耐熱性は著しく向上し、吸水率も低くなり寸法安定性も向上します。
射出成形では、ガラス繊維強化材料を中心に使用されています。自動車用途ではシリンダーヘッドカバー、インテークマニホールドなどに、機械用途では電動工具ハウジング、軸受け、ギア、ファンなどに、その他では玩具、スポーツ・レジャー用品、建材部品などがあります。
押出成形ではチューブ、フィルム、モノフィラメントなどに加工できます。押出すときに押出方向と垂直方向に引き伸ばす(2軸延伸)することによって、強くて、ガスバリア性がよくなるので食品包装フィルムに使用されています。また、モノフィラメントは押し出すときに押出方向に延伸することで強い糸に加工できます。PAモノフィラメントは透明で、結節強度も高いので釣り糸に使われています。
引用文献
1)本間精一著、プラスチック材料大全、p.80、日刊工業新聞社(2015)
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本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数

