PEはポリエチレン(Polyethylene)のISO略語。PEは「エチレン」という化合物から作られる。エチレンのような化合物をオレフィンと称するので、PEのことをポリオレフィン系プラスチックと総称することもある。
PEとは:PlaBase プラスチック事典
2023.02.15
PEとは…
(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

[特徴]
①軽い(密度が小さい)
②耐衝撃性、特に耐寒衝撃性が優れる(低密度PE)。
③吸水率が低く、耐水性が優れる。
④耐薬品性が優れる。
⑤誘電率、誘電正接が低い。
⑥射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、回転成形などで加工できる。
PEはポリエチレン(Polyethylene)のISO略語です。PEは「エチレン」という化合物から作られます。エチレンのような化合物をオレフィンと称するので、PEのことをポリオレフィン系プラスチックと総称することもあります。
1942年に英国のICI社(Imperial Chemical Industries)によって最初にPE(低密度PE)が工業化されました。わが国では1959年に工業化され、現在では最も生産量が多いプラスチックに成長しています。
PEの分子構造は同じですが、製造法によって低密度PE(PE-LD)、高密度PE(PE-HD)、直鎖状低密度PE(PE-LLD)があります。図1に各種PEの分子構造の概念図を示します。PEは結晶性プラスチックですが、PE-LDは枝分かれ(分岐)が多いため結晶化にしにくいので結晶化度は低くなります。

図1:PEの種類と分岐構造の概念図
それに比較してPE-HDは分岐が少ないため結晶化しやすいので結晶化度は高くなります。従って、結晶化度が低いPE-LDは低密度に、結晶化度が高いPE-HDは高密度になります。分岐が中程度のPE-LLDは中密度になります。
密度による基本性質の違いを図2に示します。

図2:PEの密度と性質比較
PE-LDは結晶融点や強度、弾性率は低いですが、衝撃強度が高い特徴があります。PE-HDは衝撃強度が比較的低いですが、結晶融点が高く、強度・弾性率が高い特徴があります。PE-LLDはPE-LDとPE-HDの中間的特性を有しています。
PE-LDの一般的特徴は次の通りです。
① ポリプロピレンに次いで密度が小さい
② 衝撃強度は高く、特に耐寒衝撃性が優れている。
③ 吸水率が低く、耐水性が優れている。
④ 耐薬品性が優れている。
⑤ 誘電率や誘電正接が低い。
⑥ フィルムに加工した場合に透明度は比較的高い。
⑦ 成形しやすい。
PE-HDは、強度・弾性率は高いこと、フィルムの透明度は低いこと以外はPE-LDとほぼ同じ特徴を有しています。
成形方法としては射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、回転成形などで加工できるので、幅広い用途に使用されています。代表的な用途は次の通りです。
・射出成形用途:コンテナ、バケツ、文具など
・ブロー成形用途:洗剤、食品、灯油などの容器など
・押出成形用途:食品包装、農業用、土木建材、電線被覆、水道配管など
・回転成形:公園遊具類、給水タンクなど
用途例と利用している特徴を表1に示します¹⁾。例えば、灯油缶には耐油性が優れている、耐寒衝撃性が優れている、軽いなどの特徴に加えて、ブロー成形しやすいことから使用されています。

表1:PEの用途例と利用している特長
PE成形材料の分子量は20万~30万ですが、100万以上のものを超高分子量PE(UHMWPE: Ultra High Molecular Weight PE)と称しています。UHMWPEは溶融粘度が高いので通常の射出成形や押出成形は困難であるため、特殊な成形法で成形されています。耐摩擦摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性などが一般PEより優れているので、ギヤ、ガスケット、機械類のガードレール、農機具のブレードなどに使用されています。
引用文献
1)本間精一著、プラスチック材料大全、p.68,日刊工業新聞社(2015)
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本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数

