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プラズマ処理とセルロース強化PPの合わせ技でカーボンニュートラル実現を後押し:PR

2023.02.27

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今、自動車業界ではカーボンニュートラル実現のための対応が喫緊の課題となっている。完成車メーカーだけではなく、部品供給する企業や、部品加工業、化学メーカーにおいても、同様である。また自動車の仕様においてCO2削減に大きく貢献できる要素の1つが、燃費向上に効いてくる軽量化である。しかし今日の車両デザインは、既に過去の歴史の中で最適化されてきていることから、少なくとも従来のやり方ではさらなる軽量化を目指すことは厳しい。

そうした厳しい条件の中で、車両の形状や設計最適化、金属からプラスチックに置き換えるなど採用素材の見直しの他、部品に採用する接着法の最新技術にも着目することが壁を乗り越えるための一手となるかもしれない――本記事で紹介するロボットメーカー FUJIとプラスチックメーカーであるポリプラスチックスが提案する技術にご注目いただきたい。

■PPの接着性を大幅に高めるプラズマ処理

熱可塑性樹脂のポリプロピレン(PP)は、自動車部品はもちろん家電や雑貨まで広く使われている材料だ。また比重は0.9でありプラスチックの中でも低密度であり、かつ強度や耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性などに優れる。さらにPPにガラス繊維やカーボン繊維を混ぜることで、剛性や耐衝撃強度を大幅に向上させることができる。繊維強化PPを採用することで、強度や剛性を大きく損なうことなく軽量化をかなえやすくなる。

ポリプラスチックスの長繊維強化熱可塑性樹脂ブランド「PLASTRON® LFT」には、繊維強化PP系グレード「PP-GF(長繊維ガラス強化PP)」「PP-CF(長繊維カーボン強化PP)」を備えている。これらは自動車や二輪など大きな荷重がかかりやすい部品にも採用されており、車両の軽量化に貢献しているという。

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PLASTRON®のペレット

同社ではさらに長繊維セルロースPPである「RF40-02」も開発中だ。樹木などから採取される植物由来のセルロースは、自動車業界でも非常に注目を集めるバイオマス素材である。RF40-02は、長繊維の再生セルロースを使用し、物性バランスを最適化した素材だ。天然のセルロースは短繊維のため、そのまま使用すると強度が不十分であるため、同素材では長繊維を使用している。またセルロースは非常に溶媒に溶けにくく、多くの再生セルロース繊維は長く煩雑なプロセスで製造される。それをシンプルな製造工程にできればさらにCO2の削減効果が見込めることになる。そこで、ポリプラスチックスでは工程をシンプルにできる「溶剤法」を用いた再生セルロース長繊維材料を現在開発しているということだ。

一方、PPは、接着剤との相性が非常に悪いと言われる素材の1つでもある。PPの接着が可能な接着剤は登場しているものの、特に大きな荷重がかかる、あるいは強度が心配な箇所ではねじ止めなど接着以外の手段を使うしかないと従来は考えてきた。

■プラズマ処理をすればPPの接着性が大幅向上

PPの接着性を大幅に高めるための有効手段に、接着面のプラズマ処理がある。部品表面にプラズマ処理を施すと、親水基が付与されることで濡れ性が向上し、接着性や塗装密着性が向上する。プラズマ処理は、製品量産現場において、難接着材料や異種材料の接着、接合分野や塗装、コーティング前処理、ドライ洗浄など広く利用されている。

FUJIは、大気圧プラズマ装置を開発しており、同社の「Tough Plasma」は世界最高水準(同社調べ)である高密度ラジカルを生成することができる。

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Tough Plasma「FPF20-GM」

そのため、最大処理速度1500mm/sという「超スピード」のプラズマ処理を誇り、かつ熱可塑性樹脂など熱に弱いプラスチックにもプラズマ照射が可能であることも大きな特色である。そうした特色から、熱に弱いプラスチックの薄膜表面にもダメージを与えず高速で表面改質をすることが可能だ。

PLASTRON® LFTの繊維強化PP系グレードにおいても、プラズマ処理により有意な接着性向上効果が認められたことを、FUJIとポリプラスチックスが共同で実施した試験で明らかにした。

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評価実施の様子

■実験の概要

今回の実験では、「PP-GF40-01(長繊維ガラス強化PP)」「PP-CF40-11(長繊維カーボン強化PP)」「RF40-02(長繊維セルロースPP)」の試験片(ISO引張り試験片 Type1A:4mmt)を用いた。なおPP-GF40-01とRF40-02にはウレタン系接着剤、PP-CF40-11にはエポキシ系接着剤を使用した。それらで図1のような試料を製作し、評価した(図1)。

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図1 試料の概要:(左)試験片と接着方法、(右)試験方法の模式図(出典:ポリプラスチックス)

まず試験片を半分に切断し、片側のタブ部に接着剤を塗布し試験片を重ね合わせ固定。後に所定の硬化条件で硬化させた。 接着剤塗布量はPTFE シートで調整するようにした。硬化完了後は、23 ℃×50 %RH 環境下で 24 時間放置する。なお試料はプラズマ未処理のものと、プラズマ処理済みのものを2通り用意した。オートグラフ(引張試験機)で試料の両端を引っ張り、接着強度を測定した。

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試験片製作の作業

なおプラズマ処理には、FUJIの大気圧プラズマユニットのハイエンドモデル「FPF20-GM」を用いた。

■プラズマ処理で接着力9倍以上に

上記手順で、未処理とプラズマ処理品の接着性を確認した結果、プラズマ処理による接着強さの向上が見られた。

いずれの素材も、未処理の状態では接着性が非常に低く、全面界面剥離が起こっていた。全面界面剥離は、硬化した接着剤がどちらか一方の部品面に残ることなく、接着剤の界面からまるで台紙にあるシールのように部品がするっとはがれてしまう状態であり、接着力が非常に弱いことを示す。

一方処理品では、界面剥離が一部分にとどまり接着剤凝縮破壊(接着面の両方に硬化した接着剤が引きちぎられて付着している状態)となった、あるいは全面で接着剤凝縮破壊となった。つまり接着剤が効くようになって、接着性が大幅に向上していることを示している。

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図2:接着剤の剥離の様子(模式図)

PP-GF40-01(長繊維ガラス強化PP)では、未処理の場合の接着強さ(単位はMPa:3回計測の平均値とした)が0.4(全面界面剥離)だったところ、処理後のものは3.5(接着剤凝縮破壊+界面剥離)になった(図3)。

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図3:PP-GF40-01(長繊維ガラス強化PP)の実験結果:上が未処理、下がプラズマ処理

PP-CF40-11(長繊維カーボン強化PP)では、0.0(全面界面剥離)であったところ1.1(接着剤凝縮破壊)まで向上した(図4)。

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図4:PP-CF40-11(長繊維カーボン強化PP)の実験結果:上が未処理、下がプラズマ処理

接着性の向上が顕著であったのが、RF40-02 (長繊維セルロース強化PP)であり、0.2(全面界面剥離)から4.1(全面接着剤凝縮破壊)に大幅向上している(図5)。

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図5:RF40-02 (長繊維セルロース強化PP)の実験結果:上が未処理、下がプラズマ処理

■今後、ますます活躍の場が増えるプラズマ処理

軽量でありながら機械特性に優れ、環境にやさしい長繊維セルロースPPであるPLASTRON® LFTは、カーボンニュートラルという厳しい目標達成を目指す自動車業界にとっては、非常にメリットが多いプラスチックであるといえる。そしてプラズマ処理で接着ができるとなれば、ねじ締結が不要になり、ねじの分で軽量化が図れる。さらに組み立てプロセスも簡素化できるので、工程が減る分でさらにカーボンフットプリント削減に貢献することも可能だ(図6:応用例のイメージ)。

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図6:PLASTRON® LFT応用例:ドアモジュールなどの部品に有効だ。

さらにToughPlasma自身もまたカーボンニュートラルに寄与できる存在である。世界最高レベルの大気圧プラズマ装置で、ハイパワーのため短時間での処理が可能である。また、電気、窒素、エアでプラズマを発生させる仕組みであるため、化石燃料も可燃性ガスも使用せずに済む。

今後、自動車業界においてプラズマ処理が活躍する場がますます広がっていくことが期待できそうだ。

【関連情報】株式会社FUJI

【関連情報】ポリプラスチックス株式会社

※PLASTRON®はポリプラスチックス株式会社が日本その他の国で保有している登録商標です。

提供:株式会社FUJI/ポリプラスチックス株式会社

制作:PlaBase編集部

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