PlaBase

「関西 高機能素材Week」事前特集(後編)——今回も熱視線なプラスチックとサステナビリティ:PR

2023.05.08

Image

2023年5月17日〜19日、インテックス大阪(大阪市)で、「関西 高機能素材Week」が開催される。同展示会は機能性フィルムやプラスチック、セラミックス、金属などさまざまな素材の先端技術が集まる大型展示会だ。素材そのものだけではなく、成形加工や異素材接合、塗装、表面処理など素材を加工するための技術についても対象となっている。2023年10月には同展示会の東京展も幕張メッセ(千葉市)で開催予定となっている。

Image

2018年開催の「高機能素材Week」の東京展より (左)フリーアナウンサーの白崎氏、(右)松本編集長

後編となる今回も、同展示会主催者であるRX Japan株式会社の執行役員/高機能素材Week 事務局長である土屋勝利氏に出展企業から見える業界トレンドについてお伺いしつつ、PlaBase編集部注目の企業について紹介する(前編はこちらから)。

●注目度が高い「サステナビリティ」、エレクトロニクス系メーカーや町工場ではどうか?

前回、大手化学メーカーを中心にプラスチック素材のリサイクルやバイオ素材開発が加速しており、製品では特に食品系パッケージでのバイオ素材の採用事例展示が目立つとお伝えした。エレクトロニクス系製品や部品ではどうなのだろうか?

「化学メーカー側でエレクトロニクス向けとして、サステナブル関係の製品を発表、あるいは展示するケースは増えてきているが、会場の展示を見ている限りでは、エレクトロニクス製品のメーカー側がそれを採用した製品を披露するといった動きが本格的に見られそうなのはまだこれからではないか」(土屋氏)

また、今回の会場がある大阪市は中小の精密加工業が多く集積するものづくりの町でもある。大阪を中心とする阪神地区において、サステナブルな材料を用いて部品加工を行っているという中小製造業の事例もまだ多く見られないものの、「関心は確実に高まっている」と土屋氏は断言する。

「製品でサステナブル対応をすると、販売価格が価格が高くなってくる。(部品加工業の顧客である)メーカー側がその価格に値する価値についてどう考えるか、また消費者がサステナブル対応という価値をどう捉えるか、ということになる。製品のサステナブル対応は、現時点まだ大きな潮流とはいえないが、今後『そうせざるを得ない』という状況になってくるだろう」(土屋氏)

中小の部品加工業側も「まだ顧客から何も言われていない」「うちは縁がなさそう」と何もしないのではなく、今のうちから情報収集を積極的にして、今後の仕事に備えるのが良さそうだ。

Image

2022年5月開催「第2回 関西 サステナブル マテリアル展」より(ランチボックスでバイオ素材を採用した事例)

●PlaBase編集部注目の企業

以降は、本編集部が注目する出展企業3社について紹介する。

■三菱ガス化学

まず紹介するのが、三菱グループの化学メーカーである三菱ガス化学だ。同社基礎化学品事業部門より、熱可塑性ポリイミド樹脂「サープリム」、ナイロン樹脂、エポキシ硬化剤(舗装材)、核水添酸無水物などを展示するとのこと。同社のサープリムは優れた成形加工特性を備えるとともに、強度や耐熱性など機械特性に優れる。エポキシ硬化剤「H-TMAn」は、高耐熱でクラックが生じづらく、経年劣化による黄変も起こりづらい。LEDの封止やCFRPなどに活用できるという。三菱ガス化学のグループ企業のフドーも共同出展。同社のキシレン樹脂「ニカノール」の他、熱硬化材料を展示する。

三菱ガス化学もサステナビリティに取り組む一社であり、2023年2月には三井化学との協業でバイオマスプラスチックの生産準備を進めている最中であると発表している。

Image

サープリム(出展 RX Japanのプレスリリース)

三井化学

次に紹介するのは、三井化学。同社は今回、形状記憶プラスチックの「HUMOFIT」と、開発品であるという抗ウイルスフィルムを展示する。HUMOFITは、人の体温付近で軟化し、ゆっくりと変形させた形状を一定時間保ち続けるという新素材だ。アパレルや医療品、輸送機器、アウトドア、寝具など幅広い用途を想定しているとのこと。会場では、同素材を採用した製品やプロトタイプを見ることができる。

Image

(左)HUMOFIT、(右)HUMOFITが採用されたパンプス(出展:AOKIのプレスリリース)

三井化学のサステナブルな取り組みの1つには、海水から抽出したミネラル成分を用いたプラスチック「NAGORI」がある。石川樹脂工業の開発した食器シリーズ「ARAS」にも採用された。(開発秘話「海から生まれたお皿が叶えた「両立」とは:ARAS meets NAGORI」前編後編

大下産業

最後に紹介するのは、プラスチック製品メーカーの大下産業。同社は、プラスチック製品の企画から金型設計、生産、組み立て、検査、納品までを一貫して取り組むことを特色としている。また衛生薬品メーカーのフマキラーとパートナーシップを結び、フマキラー製品のプラスチック部品の生産を担っている。

Image

フマキラー製品での採用例(出展 RX Japan関西 高機能素材Week))

同社は、プラスチックの「錆(さ)びない」という利点を生かし、デリバリー性も高めたというトレイやカップ、保冷容器などの事例を展示する。同社の拠点である広島県の名産であるカキの容器に使用されているという。

同社では、廃棄物の減量化、再使用、再資源化を基本テーマとして、原料の調達から製品の製造・使用・廃棄に至るまで、自主的な安全と環境保全活動を行っている。大手自動車メーカーとバンパーの再原料化にも取り組む。
                    ◻︎

今回の関西 高機能素材Weekも、引き続きサステナビリティに関するテーマが盛り上がりそうだ。ものづくりにおけるサステナブルな視点は、もはや一部の大手企業だけ持っていればよいわけではなくなってきた。事業や組織の規模を問わない製造業において、その情報収集は必須といえそうだ。

前回お伝えしたように、PlaBase編集部では本展示会会期中に会場取材も行う。取材した企業や会場の様子についてはPlaBase誌上で、動画や記事でお伝えしていく予定なので、今後の更新にご期待を。

(終わり)

インタビュイー

Image

RX Japan株式会社 執行役員/高機能素材Week 事務局長 土屋勝利氏

PlaBase
PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。