PPはポリプロピレン(Polypropylene)のISO略語。PPはプロピレン(オレフィン系化合物)から作られたポリオレフィン系プラスチックのことで、1957年にモンテカチーニ社(イタリア)が生産を開始。
PP樹脂とは:PlaBase プラスチック事典
2023.05.17
PPとは…
(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

特徴
① プラスチックの中では比重が最も小さいです。
② 耐衝撃性が優れています。
③ 耐摩擦摩耗性が優れています。
④ 耐水性や耐薬品性が優れています。
⑤ 成形性が優れています。
1957年にモンテカチーニ社(イタリア)が生産を開始しました。その後我が国でも生産が開始され、現在ではポリエチレン(PE)に次ぐ生産量に成長しています。
PPはポリプロピレン(Polypropylene)のISO略語です。PPはプロピレン(オレフィン系化合物)から作られたポリオレフィン系プラスチックです。PEと似た性質を有していますが、機械的性質や耐熱性(結晶融点)はPPの方が優れています。基本性質の比較を表1に示します。

表1 PP(ホモポリマー)とPEの基本性質比較
PPはプロピレンから作られたホモポリマーが中心ですが、他の原料(コモノマー)とのコポリマーもあります。ホモポリマーPPに比較してコポリマーPPは引張強度や引張弾性率はやや低いですが、耐寒衝撃性が優れています。
PPの一般的特徴は次の通りです。
① 比重は約0.9でありプラスチックの中では小さいです。ただし、ポリメチルペンテ
ンの比重は0.83であり、PPの比重よりも小さいプラスチックもあります。
② 耐衝撃性が優れています。特に、コポリマーPPは耐寒衝撃性が優れています
③ 耐摩擦摩耗性が優れています
④ 耐水性や耐薬品性が優れています。
⑤ 流動性が優れ、成形しやすいです。
以上のような特徴から次の用途に使用されています。
- 自動車:バンパー、バンパービーム、インストルメントパ ネル、トリム
- 家電製品:洗濯機水槽、冷蔵庫トレイ、炊飯器ハウジング
- 日用品:キャップ類、衣装ケース、プリンカップ、便座
- 医療器具:注射筒、輸液ボトル、ピペット
また、射出成形以外に押出成形品、ブロー成形品、繊維なども使用されています。
- 押出成形品:フィルム(スナック菓子、インスタント食品、マヨネーズなどの包装用)、その他押出品(弁当のトレイ、ストロー、ダンボール)
- フロー成形品:洗剤ボトル、輸液ボトル
- その他:フラットヤーン(結束テープ、荷造りひも)、繊維(ロープ、人工芝、フィルター)
表2にPPの用途例と利用している特徴を示します。

表2 PPの用途例と利用している特徴
プラスチックの中で、PPは自動車用途に最も多く使用されています。その理由は次の通りです。
①比重が小さいので、軽量化効果が大きいです。
②自動車用材料として要求される機械的性質(強度・弾性率、耐衝撃性)を兼ね備えています。
③成形時の熱安定性や流動性が優れているので大型部品の成形が容易です。
④PPに材料統合することで、廃車時の廃プラスチックのリサイクルが容易になります。
しかし、自動車外装用途に使用するには、耐候性が良くないこと、成形時にひけやそりが発生しやすいことなどの課題がありました。耐候性については、塗膜密着性を付与するプライマー(アンダーコート)技術を開発し表面塗装することで解決しています。ひけやそりについては、CAEシミュレーションによる成形品の最適設計やガスアシスト射出成形法の採用によって解決しました。
ここで、ガスアシスト射出成形法はリブ基部や局部厚肉部に保圧の代わりに、不活性ガス(窒素ガス)を低圧で圧入することによってひけの発生やそりを防止する方法です。
PlaBase プラスチック事典
本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数

