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PI樹脂とは:PlaBase プラスチック事典

2023.07.31

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PIとは…

PIはポリイミド(Polyimide)のISO略語。デュポン社(米国)が1960年代初期に航空宇宙産業用材料としてフィルムを「カプトン」成形品を「ベスペル」の商品名で工業化。PIには非熱可塑性PI、熱可塑性PI、熱硬化性PIの3つのタイプがあるが、本稿では非熱可塑性PIについて説明する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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特徴

①耐熱性が最も優れています。

②高強度です。

③耐摩擦摩耗性が優れています。

④耐溶剤性や耐油性が優れています。

⑤難燃性です。

⑥電気特性が優れています。

⑦耐放射線性が優れています。

PIはポリイミド(Polyimide)のISO略語です。PIにはいろいろな分子構造のものがありますがイミド結合を有するポリマーをPIと総称しています。PIには非熱可塑性PI、熱可塑性PI、熱硬化性PIの3つのタイプがありますが、ここでは非熱可塑性PI(以下PIと表現します)について説明します。

PIは直鎖状ポリマーですが溶融しないので非熱可塑性と称しています。射出成形や押出成形では成形できないので、特殊な方法で加工しています。

デュポン社(米国)が1960年代初期に航空宇宙産業用材料としてフィルムを「カプトン」成形品を「ベスペル」の商品名で工業化しました。その後我が国でも生産されています。

PIは次の特徴があります。

①耐熱性が最も優れています。

②高強度、高弾性率です。

③耐有機溶剤性や耐油性が優れています。

④耐摩擦摩耗性が優れています。

⑤難燃剤を添加せずとも難燃性です。

⑥電気特性(誘電率、体積抵抗率など)が広い温度範囲で安定しています。

⑦耐放射線性(γ線、X線など)が優れています。

PIは特殊な方法で加工したフィルムや加工素材として供給されます。

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図(a) フィルムの場合

図(a)はフィルムの作り方の概略です。PIは溶媒に溶解しないので、溶解させてフィルムに加工することができません。そのため、原料A(酸無水物)と原料B(ジアミン)を溶媒に溶解させます。両原料を重合させて中間重合物(ポリアミック酸)を作ります。中間重合物を製膜してフィルムにします。フィルムを反応(イミド化)させてPIフィルムを作ります。

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図(b) 成形品の場合

図(b)にPI加工素材および成形品の作り方の概略を示します。原料A(酸無水物)と原料B(ジアミン)を溶媒に溶解させて中間重合物(ポリアミック酸)、反応(イミド化)を経てPI粉末を作ります。次に、PI粉末を焼結成形します。

焼結成形はPI粉末を圧縮してブロック状にした後に、高温で加熱して粉末粒子間を融着させてブロックを作る方法です。PIブロックを加工素材として販売しています。加工素材を機械加工して所望する形状の成形品を作ります。

PIフィルムはフレキシブルプリント基板(FPC)のベースフィルム、半導体の実装用基板、電動機絶縁フィルムなどに使用されています。

成形品用途ではギア、ベアリング、ブッシュ、ガスケットなどに応用されています。また、耐放射線性を生かして宇宙・原子力機器などにも応用されています。

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表:PIの用途例と利用している特性

PIの用途例と利用している特徴を表に示します。FPCはPIフィルムに導電箔を接着しています。その際にPIフィルムは接着性が良い利点があります。また、薄くて柔軟性があるので折り曲げでき、かつ、はんだ付けの熱にも耐えます。


PlaBase プラスチック事典

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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数