プラスチック製品を作るための設計や量産、市場投入までの流れについて解説します。
製品開発の流れを理解する:これってどうやって作るの? プラスチック製品のつくりかた(1)
2023.08.07
今回の記事は…
(執筆:落合孝明/モールドテック)
製品開発の最終目的は言うまでもなく世に出すことです。どんなに素晴らしいアイデアや格好の良いデザイン、高度な機能を有していても、それが世に出なければ意味はありません。
1つの製品を企画の段階から量産化するまでには、さまざまな段階を踏まなければなりません。厳密に言えば製品開発の過程では、マーケティングやコストなど複数の要因を考慮して進めていく必要がありますが、ここでは設計・製作といったものづくりの側面で話を進めていきましょう。
製品を作る過程をものづくりの目線で見てみるとざっとこのような流れになります。
- まずは企画が立ち上がる
- 立ち上がった企画に応じて、機能設計・試作・検証を行い、条件(仕様)を満たす機能を決める(原理試作)
- 次にデザインを行い、それをもとに試作・検証をおこなう(デザイン試作)
- 検証で承認された機能・デザインをもとに量産を視野に入れた製品設計・量産前試作を行う(量産前試作)
- 機能・デザイン・量産前試作の検証は満足のいく結果が得られるまで繰り返す
- 仕様を満たす試作品が完成したら、量産に移行する
- 完成した量産品を検査し問題がなければ市場にて販売する

図1 プラスチック製品を作って市場に出るまで
製品の完成までは試作を繰り返すわけですが、試作と量産では必要な数量が異なるためそれぞれ製作方法も異なってくるのが一般的です。
プラスチックの製品であれば、試作段階では少量の部品が必要なので3Dプリンターや切削加工を用いて製作しますが、量産となると金型を製作して成形することで製造します。
同じ製品でも、試作品と量産品ではその製作過程が全く異なるのです。そのため試作から量産に移る段階でいろいろな問題が生じることが多くあります。製作過程が異なれば、そのために注意すべき点も当然変わってきます。3Dプリンターで試作できたことが、量産ではできない(あるいは難しい)などということも、実はよくあることなのです。
製品の設計・試作工程において、どの段階で量産を意識し量産として成立する形を反映するかは非常に重要なポイントと言えます。
製品開発においてプラスチックはさまざまな用途で広く使用されており、製品開発をする上では欠かせない素材です。
その用途は本当に幅が広く、自動車産業、電子機器、包装材料、建築・建設、医療機器、文具や雑貨など、さまざまな分野でプラスチックが利用されています。昨今では海洋プラスチックの問題をはじめとした廃棄の問題もあって、リサイクルや環境への配慮からプラスチックを削減する動きは大きな流れとなっています。とはいえ、それでも製品開発においてプラスチックを欠かすことはできません。
適した場所に適した方法で使用するためにプラスチックの特性とその加工方法を理解することがとても重要となるのです。(次回へ続く)
>>>>連載「これってどうやって作るの プラスチック製品のつくりかた」一覧
著書
『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』 (日刊工業新聞社)
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