PlaBase

PLA樹脂とは:PlaBase プラスチック事典

2023.09.13

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PLA(ポリ乳酸)とは…

PLAはPolylactic acid(ポリ乳酸)の略語。2002年に米国カーギル・ダウ社が本格生産を開始。植物から作られたバイオマスプラスチックである。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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特徴

①植物から作られたバイオマスプラスチックです。

②生分解性プラスチックです。

③透明または半透明です。

④強度、弾性率は比較的高いです。

⑤食品衛生規格に適合します。

PLAはPolylactic acid(ポリ乳酸)の略語です。PLAは米国カーギル・ダウ社が2002年に本格生産を開始しました。その後カーギル社は撤退したため、ネーチャワークス社と改称して事業を継続しています。わが国では、PLAを輸入し成形材料として販売されています。

PLAはトウモロコシやサトウキビを原料とし、それらのデンプン(グルコース)を発酵させて乳酸にし、さらに化学反応させてラクチドという化合物にします。この化合物を重合してPLAを作ります。

バイオプラスチック(以下BPという)には、バイオマス(生物資源)である植物を原料とするバイオマスプラスチックと、自然界で分解する生分解性プラスチックがあります。

PLAはバイオマスプラスチックであると同時に生分解性プラスチックであるので、環境負荷(炭酸ガスの増加、廃棄物汚染)が少ないという利点があります。ただ、生分解性と言っても環境中に放置して自然に分解するわけではない点に注意すべきです。コンポスト(堆肥)にして発酵熱と水分によって分解(加水分解)され、さらに微生物によって最終的に炭酸ガスと水に分解されます。

PLAは次の特徴があります。

①植物を原料として作られたバイオマスプラスチックです。廃棄するときに炭酸ガス(CO2)を排出しても概念的にはカーボンニュトラルです。

②生分解性ですので環境汚染を低減できます。

③透明または半透明です。

④強度、弾性率は比較的高いです。

⑤食品衛生規格に適合します。

に示すように、標準PLAは強度や弾性率が比較的高いですが、耐熱性や衝撃強度が低いです。耐衝撃性、耐熱性など、さらには難燃性を改良する材料開発が進められています。たとえば、石油由来プラスチックとポリマーアロイにする方法、フィラで強化する方法、立体配置の異なるPLAを混ぜる方法などがあります。

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表 標準PLAの物質値

射出成形では結晶化速度が遅いこと、流動性が良くないこと、型離れが良くないことなどの課題があります。これらの課題を克服する成形技術も開発されています。フィルムやシートの押出成形では延伸することで強度を向上させることができます。延伸ブロー成形でも延伸することによってボトルの衝撃強度を向上させることができます。

これらの材料改質や成形技術によって、次の用途例が報告されています。

・射出成形品:電子・事務機器筐体、自動車内装材、生活雑貨

・押出成形品:2軸延伸フィルム(プラ封筒、ラベル、窓付き封筒、インフレーションフィルム(ゴム袋、レジ袋)、シュリンクフィルム(オーバラッピング、ラベル)、シート(真空成形した食品容器、ブリスタパック)

・延伸ブロー成形品:飲料ボトル

PLAにはまだ克服すべき課題があり、石油由来プラスチックのように一般的に使用されている状況にはありませんが、環境負荷低減のため今後市場の拡大が期待されています。

PlaBase プラスチック事典


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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数