PlaBase

プラスチック選定のポイント:これってどうやって作るの?プラスチック製品のつくりかた③

2023.11.22

Image

今回の記事は…

プラスチックの選定方法のポイントについて解説します。

(執筆:落合孝明/モールドテック)

一口にプラスチックと言っても非常に多くの種類があります。身近なところで言えば、ペットボトルに使われているプラスチックはPET(ポリエチレンテレフタレート) 、バケツに使われているプラスチックはPP(ポリプロピレン)であり、見た目も触った感じも異なります。

同じ製品でも、その用途に応じてプラスチックの種類が変わる場合があります。なぜならプラスチックはその種類によって硬さ、耐電性、耐薬品性、耐熱性、耐候性などの物性や価格などが異なるためです。

例えば、ヘルメット。

同じヘルメットでもそれぞれの特徴からABS、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)、FRPなどのプラスチックが使われています。それぞれの特徴を見てみると

  • ABS       安価で帯電性に優れているが、耐薬品性、耐熱性、耐候性で他の樹脂に劣る。
  • PC         ABSに比べて硬く、耐候性に優れる。
  • PE          上の2つより耐薬品性に優れるが、比較的軟質
  • FRP        耐熱性、耐候性に優れる。耐用年数が長いことから災害時の備蓄用に向いている

このようにそれぞれ特徴があり、用途・環境に応じたプラスチックが使われます。

Image

Image

さらに同じプラスチックの種類でも耐候性に優れているとか、耐薬品性に優れているとかいう具合にさまざまなグレードがあります。たとえば、常に屋外で使用するような製品であれば、同じプラスチックでも耐候性の優れたグレードを選択した方が良いということになります。

この様に単純にプラスチックと言ってしまえばそれまでですが、種類やグレードなど非常に多岐に渡ります。正直その全てを把握することは難しいと思います。とはいえ、プラスチックを使って製品設計をする以上はある程度の基本は把握しておくと良いでしょう。

ここまで説明した通り、プラスチックにはさまざまな種類・グレードがあり、そこから使用するプラスチックを絞らなければいけません。ただやみくもにプラスチックの種類を調べても露頭に迷ってしまうかもしれません。それならばいっそプラスチックを購入する材料メーカーさんにお任せしてしまうのも一つの手段としてありでしょう。

材料メーカーさんへ伝えるためにはプラスチックの候補を絞るためのポイントを把握しておき、そのポイントを伝えることで最適なプラスチックを選定してもらいます。主なポイントはだいたい次のような項目が挙げられます。

樹脂選定のための主なポイント

Image


もちろんこの項目を全て把握しておく必要はありませんが、最低限使用環境ぐらいは押さえておくと良いでしょう。

(次回につづく)

Image

>>>>連載「これってどうやって作るの プラスチック製品のつくりかた」一覧 

著書

『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』 (日刊工業新聞社)

筆者サイト

Webページフェイスブック

落合 孝明(おちあい・たかあき)

1973年生まれ。株式会社モールドテック代表取締役(2代目)。デザインとエンジニアリングの両面から製品開発の支援をする設計屋。アイデアや現品からのデータ製作や製造手配まで製品開発全体のディレクションを行っている。文房具好きが高じて立ち上げた町工場参加型プロダクトブランド『factionery』では、第27回日本文具大賞機能部門優秀賞を受賞している。

著書:『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』 (日刊工業新聞社)

筆者サイトWebページフェイスブック