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三面図だけだと伝えきれない時の「補助投影図」(パート2):機械製図道場(入門編5)

2023.12.25

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今回の記事は…

機械製図の実務を行う上で基本となることを解説。今回は、「補助投影図」について、前回に引き続き解説します。

(執筆:土橋 美博/3D CAD推進者)

前回は、JIS製図における2D図面の「図形の表し方」において、三面図による表現だけでは、どうしても必要な情報が伝えられない時にこの伝え切れない情報を表現する際に用いる手段として補助投影図についてお話しました。

今回は、補助投影図の中でも図の一部を示せば理解できる「部分投影図」と部品の穴や溝など1つの局部だけを示せば理解できる「局部投影図」についてお話します。

5.補助投影図 ①部分投影図

図7のように斜面部が長く、非斜面部(ねじ穴が2つある方)が短い場合はどう作図すればよいでしょうか。斜面全てではなく、4つのねじ穴部分だけを補助投影図として表した方が見やすい図面になります。


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図7 斜面部が長く、非斜面部が短い対象物

このような対象物の場合は、前回の補助投影図のように全ての斜面を投影図として表すのではなく、4つのねじ穴部分だけを補助投影図として表す方が、見やすい図面にすることができます。そこで、図8のように不必要な部分を省略します。このような補助投影図のことを、「部分投影図」といいます。


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図8 必要な部分のみを示した補助投影図

図8のように、設計者の意図として「省略した」ことを表すためには、「不規則な実線=破断線を引く」ことで表します。ただし、JISでは、明らかに省略できることが分かる場合には、破断線を省略してもよいと規定されています。

⁠10.1.3 部分投影図(※JIS B0001:2019より抜粋/編集)

図の一部を示せば理解できる場合には、その必要な部分だけを部分投影図として表します。この場合には、省いた部分との境界を破断線で示します。ただし、明確な場合には破断線を省略してもよいでしょう。

5.補助投影図 ②部分投影図

局部投影図について説明します。JISを確認します。

10.1.4 局部投影図(※JIS B0001:2019より抜粋/編集)
⁠対象物の穴、溝など一局部だけの形を図示すれば理解できる場合には、その必要部分を局部投影図として表す。投影関係は、主となる図に中心線、基準線、寸法補助線などで結び付けて示す。

部品(製品)の穴や溝など1つの部分(局部)だけを図示化すれば、十分に理解できるような場合には、この局部投影図を使用できます。その一例として、図9のような図面をJISに従い描きました。軸部品に、機械要素のキー部品を取り付けるためのキー溝の加工指示を行う必要があるため、軸全体も表すのではなく、このキー溝を局部投影図として表しました。

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図9 局部投影図

このような軸部品の図面を、三面図の構成で作図すると、図10のようになります。

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図10 局部投影図を使用していない例

図9図10はどちらが見やすいでしょうか。図10では、正面図も平面図も長溝穴以外に変化はないため、紙面のムダでもあり、またスッキリとした図面とはいえません。見やすい図面は「図面の一義性」を伝えるためにも重要です。

次回は、「分かりやすい図面を作図する」ための断面図についてお話します。

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土橋 美博(どばし・よしひろ)

⁠3D CAD推進者。1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置企業でメカ設計・営業・3D CAD推進に従事。2014年にフラットパネルディスプレイ製造装置を主に開発設計製造を行う企業に入社。これまでの3次元CADの経験を活かした現場発信のデジタルプロセスエンジニアリング推進活動を行いながら、CAEも担当。長野県南信工科短期大学校で非常勤講師として機械設計製図の教育も行っている。