プラスチックの燃焼性について説明する。
プラスチックの燃焼性:プラスチック材料の基礎知識(31)
2024.12.16
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(執筆:本間精一/本間技術士事務所)
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燃焼の3要素は可燃物、火源、酸素である。プラスチックの主な構成元素は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)であるので、大気中(酸素)で火源を接炎すると熱分解し、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)などの可燃性ガスが発生して燃焼する。可燃性ガスの発生量は分子構造によって異なり、発生量が少ないプラスチックは燃えにくい。また、分子鎖に塩素(CL)、ふっ素(F)、硫黄(S)などの元素が存在すると燃焼時に不燃性ガスが発生するので難燃性になる。
プラスチックの燃焼性は、次の3つのタイプに分けられる。
① 火源を離しても燃え続けるタイプ:PE,PP,PS,ABS,PMMA,POMなど
② 火源を離すと自然に火が消えるタイプ:PC,PA,PAR,PSU,PESなど
③ 火源を離すとすぐに火が消えるタイプ:PVC,PTFE,PPS,LCP,PEEK,PIなど
燃焼性については単に燃えやすさだけではなく、燃焼速度、燃焼溶融物の滴下(編集部注:てきか。したたり落ちること)、有毒ガスの発生、発煙性なども考慮しなければならない。また、製品肉厚や燃焼方向(垂直、水平)によっても燃焼性は変化する。用途(電子・電機、建材、車両など)によって火災に対する危険性は異なるので、表1に示すようにそれぞれ用途に対応した燃焼試験法が定められている。
表1 プラスチックの燃焼試験法

各用途について燃焼試験規格に適合しないときには難燃剤を添加して難燃化している。プラスチック用難燃剤には、無機難燃剤(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど)や有機難燃剤(りん系、シリコーン系、ハロゲン系など)がある。
酸素濃度が薄くても燃える材料は燃えやすいので、燃焼性を酸素指数で評価する方法がある。酸素指数の測定法はJIS K7201に規定されている。酸素と窒素の体積比率を変えた雰囲気で燃焼させ、試験片が燃え続けるのに必要な最小酸素濃度(体積濃度)が酸素指数である。
表2に各種プラスチックの酸素指数を示す。同表のように、燃えやすいプラスチックほど酸素指数は小さいことが分かる。また、我が国では酸素指数が26未満のプラスチックは消防法(指定可燃物)が適用されることになっている。
表2 各プラスチックの酸素指数

(次回につづく)
本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数
