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幾何公差とサイズ公差は個別に適用すべし:機械製図道場(中級編2)

2025.01.08

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今回の記事は…

JIS製図の幾何公差について一から解説。今回は、サイズ公差と幾何公差を「独立の原則」に基づいて適用する考え方について説明する。

(執筆:土橋美博/スワニーCIO、3D CAD推進者)

前回は公差の必要性についてお話しました。公差とは「バラツキを制約し、その機能を満足させるための制約条件」です。今回は、サイズ公差と幾何公差についてお話します。

さて、ここで重要なことは「独立の原則」です。JISには以下のように記載されています。

JIS B0024-1988(ISO 8015-1985)抜粋「独立の原則」
図面上に個々に指定した寸法及び幾何特性に対する要求事項は,それらの間に特別の関係が指定されない限り,独立に適用する。それゆえ何も関係が指定されていない場合には,幾何公差は形体の寸法に無関係に適用し,幾何公差と寸法公差は関係のないものとして扱う。
⁠• 寸法と形状又は
⁠• 寸法と姿勢又は
⁠• 寸法と位置
⁠との間に特別な関係が要求される場合には,そのことを図面上に指定しなければならない。

簡単にいえば、「図面に指示されたサイズ公差と幾何公差は別々に適用する」ということです。図1にその例を示します。

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図1 サイズ公差と幾何公差が描かれた図面(ZW3D CADで作成)

このモデルの寸法(サイズ)公差と幾何公差の解説を行います。直方体モデルの左側面がデータムAです。このデータムAは平面度という幾何公差によって、0.01以内の平面にとして構成されています。

「0.01以内の平面」とは、図2のように「その面(データム面)が距離t=0.01mm離れた面の間にあること」を規定しています。

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図2 幾何公差 平面度の意味

直方体モデルの長手方向長さは図示サイズ100mmで、そのサイズ公差は±0.15mmと規定されています。そのことから、この2面間の距離は上の許容サイズが、100.15mm、下の許容サイズが99.85mmであれば良いことを指示しています。

さらに、幾何公差によって、「右側面は、データムAに対し、平行度0.05以内になければならない」と指示されています。要するに、「右側面は、データムAに対して平行な面として距離0.05mmの平面に間にある」ということです。

このサイズ公差と幾何公差は関連付けられているわけではなく、別々に適用することで、部品の形体を規定しています。

さらに解説を進めると、正面は直角度という幾何公差によって、左側面データムAに対して垂直な距離0.01mmの2平面の間にあるデータムBとして定められています。

「直角度」というと「角度」をイメージする人がいるかもしれませんが、角度で示しません。上の解説は図3のような解釈になります。

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図3 幾何公差 直角度の意味

図面の説明を進めると、その相対する平行二平面の距離は図示サイズ50mmとし、上の許容サイズが50.15mm、下の許容サイズが49.85mm、底面に相当する面はデータムAおよびデータムBに対して垂直な距離0.01mmの2平面の間にあることも指示されています。

またこの2平面間の距離もサイズ公差により指示されています。このように、この図面では独立の原則によりサイズ公差と幾何公差が適用されています。

サイズ公差を理解する上で、必要になるJIS用語について次の表1にまとめますので、ぜひ、確認しましょう。

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土橋 美博(どばし・よしひろ)

⁠3D CAD推進者。1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置企業でメカ設計・営業・3D CAD推進に従事。2014年にフラットパネルディスプレイ製造装置を主に開発設計製造を行う企業に入社。これまでの3次元CADの経験を活かした現場発信のデジタルプロセスエンジニアリング推進活動を行いながら、CAEも担当。長野県南信工科短期大学校で非常勤講師として機械設計製図の教育も行っている。