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穴や円弧の寸法の表し方:機械製図道場(入門編13)

2024.09.04

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今回の記事は…

機械製図の実務を行う上で基本となることを解説。今回は、穴やポケットなどの寸法指示でよく見られる、正方形や円弧の寸法補助記号について解説。

(執筆:土橋美博/スワニーCIO、3D CAD推進者)

前回は、「寸法数値/寸法配置」と「寸法補助記号」についての決まりごとについて解説しました。⁠今回は、穴やポケットなどの寸法指示でよく見られる、正方形や円弧の寸法補助記号について解説します。

1.正方形の辺「□」

正方形を表す際、「□(“かく”と呼ぶ)」の記号を使用します。これは「JIS B 0001:機械製図:11.6.5 正方形の辺の表し方」に規定されています。ちなみに、JIS B 0001:機械製図は2019年に改正されており、正方形の辺(□)についてもその使い方が見直されています。

以下、□の記入方法について見ていきます。

正方形の辺の表し方

対象とする部分の断面が正方形であるとき、その形を図に表さないで、正方形であることを表す場合には、その辺の長さを表す寸法数値の前に、寸法数値と同じ大きさで、正方形の一辺であることを示す記号□を記入します(図1)。⁠


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図1 正方形の辺の表し方(ZW3D 2025より2D図面作成)

正方形の表し方

正方形を正面から見た場合のように、正方形が図に表れる場合には、両辺の寸法を記入するか、または正方形であることを示す記号□を一辺に記入します(図2)。なお、旧JISでは「両辺に寸法を記入する」とされていましたが、2019年の改正により「□を使用してもよい」とされました。


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図2 正方形の表し方(ZW3D 2025より2D図面作成):両辺に寸法を入れる場合(左)、□を一辺に入れる場合(右)

2.円弧の長さの表し方「⌒」

円弧を表す際、「⌒(”えんこ”と呼ぶ)」の記号を使用します。これは「JIS B 0001:11.6.7 弦及び円弧の長さの表し方」に規定されています。

弦の長さの表し方

弦の長さは、弦に直角に寸法補助線を引き、弦に平行な寸法線を用いて表します(図3)。


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図3 弦の長さの表し方(ZW3D 2025より2D図面作成)

円弧の長さの表し方

弦の場合と同様な寸法補助線を引き、その円弧と同心の円弧を寸法線として引き、寸法数値の前または上に円弧の長さの記号(⌒)を付けます。なお、旧JISでは「寸法数値の前だけに⌒を付ける」ことが規定されていましたが、2019年の改正により、「寸法数値の前または上のどちらでも良い」ということになりました。

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図4 円弧の長さの表し方(ZW3D 2025より2D図面作成)


【⁠コラム】3Dデータ正の考え方と図面

今回のテーマとは別ですが、本連載に関連して「3Dデータ正の考え方と図面」のお話をします。

3D CADへの移行が見られる現在においても、JIS製図における2D図面における正しい図面記入方式を理解することは大切です。ここ最近では、3D CADで作成した3Dの形状モデルに寸法や注記、数量などの情報を付加した「3DAモデル(3D Annotated Models/3D製品情報付加モデル)」を活用することが3D CAD運用でもトレンドになっています。

かつて、「3D単独図」という3Dデータ上に幾何公差や仕上げ記号といった注釈および表面処理などの注記を付加し、3Dデータのみで全てを表現するというものが目指されたのに対して、3DAモデルでは、部品名称、部品番号、使用個数、箇条書き注記といったモデル管理情報が加えられた“製品情報のデータセット”として定義され、そこには2D図面も含まれています。

筆者の見解ですが、「MBD(Model Based Definition/モデルベース定義)」と言っているCAD製品は、この3DAに該当するものと考えます。様々な3D CADベンダーがこの製品を販売していますが、3DAは、3D CADベンダーごとの考えではなく、必要な製品情報を付加できる標準的な考え方となり、主流になっていくものだと考えます。

この流れも「3Dデータ正」といわれる、“2D図面と3D図面に設計情報の違いがある場合には3Dデータが正しい”とする考え方に基づくものであり、「正しい図面記入方式を理解すること」は、3DAモデルとして2D図面を情報として付加する場合でも重要となります。⁠

(次回へ続く)

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土橋 美博(どばし・よしひろ)

⁠3D CAD推進者。1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置企業でメカ設計・営業・3D CAD推進に従事。2014年にフラットパネルディスプレイ製造装置を主に開発設計製造を行う企業に入社。これまでの3次元CADの経験を活かした現場発信のデジタルプロセスエンジニアリング推進活動を行いながら、CAEも担当。長野県南信工科短期大学校で非常勤講師として機械設計製図の教育も行っている。