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樹脂の成形特性(1) 1.1溶融と固化――射出成形技術者向け! 成形不良対策塾【中・上級編】(1)

2025.09.08

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この記事では…

成形時における非晶性プラスチックと結晶性プラスチックの融解・固化について解説する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

本連載「射出成形技術者向け! 成形不良対策塾【中・上級編】」」では、射出成形実務にかかわる、経験数年程度~中堅技術者の方向けに、成形不良対策に関する解説をお届けします。

初回では、成形時における非晶性プラスチックと結晶性プラスチックの融解・固化について解説します。

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⁠非晶性プラスチックと結晶性プラスチックの溶融と固化の分子配列形態

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非晶性プラスチックと結晶性プラスチックの溶融と固化の分子配列形態を図1に示す。


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図1 非晶性プラスチックと結晶性プラスチックの分子形態概念図

非晶性プラスチックの加熱過程ではガラス転移温度(Tg)を超えると徐々に軟化して、やがて成形可能な溶融粘度になる。冷却過程では型内に射出すると金型側に熱移動することで温度低下し、やがてTgに達し固化を開始する。


⁠結晶性プラスチックの加熱過程ではTgを超えると非晶相は徐々に軟化するが、結晶相が存在するためTg以上においても固化状態を保っている。結晶融点(Tm)を超えると急に溶融し成形可能な溶融粘度になる。冷却過程では金型側に熱移動することで温度低下し結晶化温度に達すると結晶化し固化開始する。


⁠図2は結晶性プラスチックの加熱過程と冷却過程における示差走査熱量計(DSC)による熱挙動概念図である。


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図2 結晶化温度と結晶融解温度(DSC法)

加熱過程ではTm近傍に達すると結晶融解熱の吸熱ピークが認められる。従って、結晶融点近傍では融解熱に相当する熱量を与えなければならない。


⁠冷却過程では結晶化温度近傍では結晶化熱の発熱ピークが認められる。したがって、冷却過程では結晶化熱に相当する熱量を金型側に熱移動しなければならない。


⁠表1に、非晶性プラスチックと結晶性プラスチックのTgおよびTmと成形温度の関係を示す。


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表1 各種プラスチックのガラス転移温度、結晶融点と成形温度

非晶性プラスチックはTgと成形温度は約100℃以上の差がある。一方、結晶性プラスチックはTmを超えると結晶が融解するため、溶融粘度が急に低下し成形温度領域に達する。(次回へ続く)



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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数