設計段階におけるウェルドラインの対策について説明します。
製品に出るスジを回避する(ウェルド対策):設計で対策する成形不良③
2025.10.01
この記事では…
(執筆:落合孝明/モールドテック)
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成形品にスジが出る現象は射出成形ではよく見られる現象です。このスジのことをウェルドラインと言います。ウェルドラインはスジとして外観に残ってしまうため外観不良になるのはもちろんですが、強度も著しく落ちてしまいます。

まずはウェルドの発生する仕組みを見てみましょう。
射出成形では金型内部を溶融された樹脂が流れます。溶融された樹脂は、外部と内部では温度差があり、外部の方が冷めやすく内部に比べて固化しやすい状態となっています。

金型内部で流れる樹脂は、場所によって合流する部分があります。流動する樹脂の先端は固化していますから、きれいに混ざることはできず合流部分にスジができてしまいます。このスジがウェルドラインとなります。

スジとして残ってしまうため外観不良になるのは一目瞭然ですが、固化している樹脂同士が合流しているため実際に樹脂が混ざりきっておらず、そのためウェルドラインが出ている部分は強度が著しく落ちてしまうのです。
ウェルドラインを完全に防ぐことは非常に難しいです。しかしその位置を予測・調整することは可能ですので、外観や強度を意識してその製品のどこにウェルドラインを発生させるか考慮する必要があります。
例として、板状の製品に穴があいた形状の樹脂の流れをみてみましょう。

樹脂は穴の部分で左右に分かれて穴の向こう側で再び合流します。その合流地点にウェルドが発生することになります。
左側から樹脂を流入した場合。ウェルドラインは穴の右側に発生します。この場合、穴と製品の端面が近いためウェルドラインがつながってしまいます。

逆に右側から樹脂を流入した場合、ウェルドラインは穴の左側に発生しますが、穴と製品の端面が遠いためラインはつながりません。当然、ウェルドラインがつながっている方が強度は落ちます。

このように、製品の形状とゲートの位置でウェルドラインの発生位置はある程度予測ができますので、発生位置をうまく調整して製品として外観不良や強度の低下を避けることが重要となります。
(次回につづく)
著書
『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)
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