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バイオプラスチック開発例(1) ―― バイオポリオレフィン:プラスチックの環境対応(3)

2025.11.10

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この記事は…

バイオポリオレフィンの製造工程や温室効果ガス排出量について解説する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)



⁠バイオポリオレフィンにはバイオPEとバイオPPがある。ここでは、実用化が進んでいるバイオPEを中心に解説する。⁠バイオPEはサトウキビを原料とする非生分解性バイオマスプラスチックである。その製造工程の概略を図1に示す(※1)。

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図1 バイオPEの製造工程(※1)


⁠サトウキビなどからの糖蜜を発酵させてエタノールを作る。エタノールを分子内脱水してエチレンモノマーにし、重合してバイオPEを作る。品種には高密度PE(PE-HD)と低密度PE(PE-LD)がある(※2)。

⁠図2は石油由来PE-HDとバイオPE-HDの1kg当たりの温室効果ガス(CO2)の排出量比較である(※3)。この値は製造工程で排出するCO2以外のメタンや、亜酸化窒素を含めてCO2量に換算した値である。

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図2 PE-HD 1kg当たりの温室効果ガス負荷(※3)
⁠(*Plastics Europe,**Braskem社試算)


⁠石油由来PE-HDのCO2排出量は製造工程では2.5kg、廃棄燃焼時では3.1kgであり、合計すると5.6kgとなる。バイオPE-HDの製造工程ではエネルギー消費が少ないため0.7~1.3kgである。また、燃焼時に発生するCO2排出量3.1kgは生育過程における吸収量と同じであるので収支はゼロと見なすことができる。つまりカーボンニュートラルである。したがって、両プラスチックの差は4.3~4.9kgとなり、温室効果ガスを約80%削減できる。

⁠バイオPEは石油由来のPE-HDやPE-LDと同等の物性を有し、リサイクルも容易である。石油由来PEに比較して高価格であるので、環境対応を重視する食品、飲料、衛生用品、清掃用品などの消費材分野のパッケージや、玩具、ごみ箱、レジ袋などに使用されている。

バイオPPは製法の詳細は明らかではないが、図3に示すように2つの製法が公表されている(※4)。製法1の開発が先行しているが、製法2の開発も進められている。

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図3 バイオPPの製法(※4)



⁠本格生産に入れば、自動車・ブローボトル・シート、フィルムなどへの展開が期待される。



⁠引用文献
⁠1) 石橋 智 プラスチックス、60(10),p.66,日本工業出版(2024)
⁠2) https://www.braskem.com/portal/imgreen/newimgreen/img/portfolio-pdf-jap.pdf
⁠3) 石橋 智 プラスチックス、60(10),p.66,日本工業出版(2024)
⁠4) https://jp.mituichemicls.com/jp/release/2019

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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数