設計においてショートショットの対策方法について解説する。
ショートショット対策:設計で対策する成形不良④
2025.12.01
この記事では…
(執筆:落合孝明/モールドテック)

ショートショットとは、射出成形において、樹脂が製品の端末に行き渡らずに完全に充填されていない状態のことです。製品で見ると、製品の一部が欠けている状態として現れます。
ショートショットの発生には、主に金型内での樹脂の流動不足や固化が関係しています。主な原因は以下の2点です。
- 樹脂が金型内部を流れる途中で固化してしまった場合
- 樹脂が流れる過程で金型内に空気が溜まってしまった場合
製品の肉厚が薄いと樹脂は固化しやすくなります。そのため、最適な肉厚で設定されていない製品は樹脂が金型内部を流れている途中で固化してしまい、ショートショットが発生します。
また、製品でリブのような形状は金型では袋小路のようになってしまいます。そのような場合、空気の逃げ場がなくなり、樹脂が先端まで充填されず、ショートショットの原因となることがあります。


製品形状を修正することで袋小路のような状態を解消できるのならいいですが、すべての形状で対策をすることは難しいため、金型設計で対策を行います。
逃げ場のない空気がショートショットの原因となるわけですから、金型設計するうえで空気を逃がす構造を設計する必要があります。
例えば、リブ形状の場合は、金型側で入子と呼ばれる別部品を設定して対策を行うことが一般的です。入子を設定することでその隙間から空気が逃げていき樹脂が先端まで行き渡ります。

別部品化はあくまで金型上での処置であり、製品設計には直接関係しません。しかし、別部品によって対策を行ったとしても、形状が細くて深い場合には、金型内で樹脂が温度によって途中で冷やされ、固まってしまう可能性が高くなります。そのため、製品設計の段階で深くて細いリブ形状のようなショートショットになる可能性が高い形状は避けることが望ましいと言えます。
(次回につづく)
著書
『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)
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