ひまし油を原料として作られるバイオポリアミドについて説明する。
バイオプラスチック開発例(2)―― バイオポリアミド: プラスチックの環境対応(4)
2025.12.22
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(執筆:本間精一/本間技術士事務所)
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バイオポリアミド(バイオPA)は非生分解性バイオマスプラスチックである。代表的なバイオPAはPA11である。植物原料は非可食植物であるヒマ(トウゴマ)である。

PA11はアルケマ社(フランス)が「リルサン」という商品名で製造販売している(注1)。PA11の製造工程の概略を図1に示す。複雑な化学反応を経て11-アミノウンデカン酸を合成し重縮合してPA11を作る。

図1 PA11の製造工程(注1)
PA11とPA6、PA66の物性比較を表1に示す。PA11はカーボンニュートラルであることに加え、次の特徴がある。
①比重が小さい。
②吸水率が低いため吸水による寸法変化や強度変化が小さい。
③弾性率が低く柔軟性がある。
④耐衝撃性が優れる。

表1 PA11、PA6、PA66の物性比較(注1)
これらの特徴を生かして次の用途に使用されている。
- 自動車関係:燃料チューブ、エアブレーキチューブ
- 一般用途:結束バンド、ベアリングシーリング部材
- スポーツ用品関係:スキー板のトップレイヤーコート、バドミントンのシャトルコック
ひまし油を原料とするバイオPAにはPA11以外に図2に示す種類がある。

図2 バイオPAの種類(注1)
ひまし油から作られた全バイオPAには、PA11とPA1010がある。一方、石油由来原料とひまし油由来原料から作られた部分バイオPAにはPA610とPA1012がある。
(次回へ続く)
引用文献
(注1)松野真也、宮保淳、成形加工、24(8)、p.438~443、(一社)プラスチック成形加工学会(2012)
本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数
