エプソンテックフオルムの小型射出成形機「AE-M10」、再生材データバンク構築の標準装置に:PR
2026.02.25

セイコーエプソンとエプソンテックフオルムは2026年2月6日、エプソンテックフオルムの小型射出成形機「AE-M10」が、内閣府主導の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の公式ガイドラインにおいて、標準的な射出成形サンプルの製造装置として採用されたと発表した。
同ガイドラインは、SIP第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の一環として策定されたもので、再生プラスチックの特性データを集約する「再生材データバンク」の運用に関わる。今回公開された「第3版」では、ポリプロピレン(PP)および再生PPの物性評価用サンプルを作製するための指定機種として、AE-M10が明記された。
再生材普及の課題とデータバンク
製造業では環境負荷低減に向けた資源効率の向上が求められている。一方、再生プラスチックの産業利用では、バージン材と比べて品質のばらつきが大きいことから、物性データの信頼性やトレーサビリティ(追跡可能性)の確保が課題とされてきた。
こうした課題への対応として構築が進むのが「再生材データバンク」だ。全国の大学・企業・研究機関が協力し、再生材の特性データを一元管理する枠組みである。信頼できるデータを蓄積するには測定方法の統一に加え、その前段階である試験片(サンプル)の作製条件をそろえる必要がある。成形時の熱履歴や充填圧力などの条件が異なると、同一材料であっても測定値が変動し得るためだ。
研究グループの評価と装置選定
なかでも東北大学は中心的な役割を担い、220種類以上の再生PP成形サンプルの作製と評価を実施したという。両社発表によれば、その結果を踏まえ、AE-M10が標準サンプル作製用の装置としてガイドラインに記載された。
選定理由として挙げたのは、少量材料でも成形を安定させやすい点と、材料切り替え時の洗浄性である。再生材の研究開発や物性評価では、多品種の材料を少量ずつ扱う場面が多い。一般的なインラインスクリュ方式の大型成形機では、流路が長く必要材料量が増えやすいことに加え、スクリュ内の滞留時間が長くなることで熱劣化のリスクが高まる場合がある。
AE-M10は独自開発の円盤状のスクリュを用いた「フラットスクリュテクノロジー」を採用し、可塑化機構のコンパクト化と樹脂流路の短縮を図ったとしている。これにより滞留時間を抑え、熱劣化の影響を小さくしながら成形を行いやすい点が特徴だという。また、スクリュの脱着や洗浄が容易で、材料切替に伴う段取り替えの負担を低減しやすい点も評価項目の1つになったとしている。
再生材データバンクを利用した再生材の品質分析・グレーディングフロー(出所:東北大学)
ガイドラインで規定された成形条件
「再生材データバンク 実験・解析ガイドライン 第3版」では、AE-M10を用いた成形プロセスが記載されている。適用範囲は、データバンクに登録するバージンPPおよび再生PPのサンプル作製で、使用装置として「エプソンテックフオルム製の横型射出成形機 AE-M10」が指定された。
作製する試験片はJIS K 7139に準拠したB1タイプ(80×10×4mm)で、シャルピー衝撃試験や曲げ試験に用いる。基本的な成形条件は以下のとおりであった。
- フラットスクリューバレル温度:外200℃、内220℃
- ボディ温度:230℃
- 金型温度:40℃
- 射出保圧:60MPa(10秒間)
- 冷却時間:20秒
また、試験片のヒケ(収縮)許容値は0.1mm以下としていた。装置と条件を規定することで、作製場所や作業者が異なる場合でも試験片の条件をそろえ、データの比較可能性を高める狙いがあった。


出所:エプソンテックフオルム
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PlaBase編集部
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