プラスチック成形時における圧力損失について解説する。
樹脂の成形特性(1) 1.6 圧力損失:射出成形技術者向け! 成形不良対策塾 中・上級編(6)
2026.03.16
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(執筆:本間精一/本間技術士事務所)
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流路内を流れる溶融樹脂の圧力は徐々に低下する。圧力低下することを圧力損失と称している。図1に樹脂流路における圧力損失の様子を示す。

図1 圧力損失概念図
圧力は射出成形機内およびスプル、ランナ、ゲートを通過する過程で低下する。さらにキャビティ内においても、ゲート通過直後より流動末端の方が圧力は低下する。圧力損失にはいろいろな要因が関係する。矩形断面流路を例にすると圧力損失は次式の通りである。

溶融粘度ηには材料粘度や成形温度(樹脂温度)が関係する。時間当たりの流量Qには成形時の射出率が関係する。[ ]内は流路寸法が関係し、次のことが分かる。
①流路長Lが長くなるとΔPは大きくなる。
②流路幅bが狭くなると1乗に反比例してΔPは大きくなる。
③厚みtが薄くなると3乗に反比例してΔPは大きくなる
図2はポリカーボネート(PC)を用いて成形したときの型内圧挙動である。

図2 射出成形における型内圧の計測結果(材料:低粘度PC)
材料は低粘度タイプPCを用い、バーフロー金型(肉厚2mm)を用いて実験している。図に示すようにCP1、CP2、CP3の各位置に圧力センサーを取り付けて型内圧波形を計測している。射出圧100MPaに対し型内圧波形のピーク値で見るとランナ部CP1では約70MPa、ゲート通過後CP2では、50MPa、さらにCP3では約30MPaまで低下している。
樹脂流路や製品形状によって圧力損失は異なるので、成形に必要な実効圧力がキャビティ内に及ぶように射出圧や保圧を適切に調整する必要がある。
本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数

