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樹脂の成形特性(1)  1.7 成形収縮率:射出成形技術者向け! 成形不良対策塾 中・上級編(7)

2026.04.06

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プラスチック成形時における成形収縮率について解説する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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⁠成形材料の特性値の1つに成形収縮率がある。キャビティに充填された溶融樹脂は、冷却に伴って樹脂容積は収縮する。プラスチックは等方向収縮であるので容積収縮に伴って寸法も収縮する。キャビティ寸法に対する成形品寸法の収縮を表す比率が成形収縮率である。

射出成形では金型からの取り出し直後の成形品温度が高いので、室温まで冷却する過程でも寸法は収縮する。金型から取り出し後の冷却過程では次の特性が寸法変化に影響する。


⁠①温度低下に伴って線膨張係数に基づいて寸法収縮する。

②成形直後は絶乾状態であるが、大気中で吸湿するとわずかではあるが寸法膨張する。

③結晶性プラスチックは2次結晶化による寸法収縮が起きる。2次結晶化には成形時の金型温度が影響する。



⁠以上の現象を踏まえて、寸法測定に先立って成形後に寸法を安定化させることを状態調節と称している。JIS K7100に規定されている標準の状態調節条件は温度23℃、湿度50%RHとされている。調節時間は24~48時間が一般的である。このように状態調節後の試験片を用いて寸法を測定する。金型キャビティ寸法と試験片寸法から次式で成形収縮率を計算する。

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プラスチックの成形収縮率例を表1に示す。結晶性プラスチックは結晶化による収縮が大きいので、成形収縮率も大きな値である。

表1 各種プラスチックの成形収縮率

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成形収縮率は金型の加工寸法を求めるときのデータとして利用される。

実際に成形するときには次のことに留意しなければならない。


⁠①成形条件によって成形収縮率は変化する。

②成形品肉厚によって成形収縮率は変化する。

また、繊維強化材料では成形収縮率特性が異なる。表2にガラス繊維強化材料の成形収縮率例を示す。ガラス繊維で強化すると成形収縮率に異方性が生じることが分かる。流れに平行方向の成形収縮率は小さいが垂直方向は大きくなる。この理由は、成形時にガラス繊維が流動方向に平行に配向するためである。

表2 ガラス繊維強化材料と成形収縮率

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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数