バイオポリエステルについて説明する。
バイオプラスチック開発例(4):バイオポリカーボネート:プラスチックの環境対応(6)
2026.04.15
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(執筆:本間精一/本間技術士事務所)
バイオポリカーボネートは非生分解性バイオマスプラスチックである。図に示すように、原料は植物の糖、澱粉などのグルコースから誘導されるイソソルバイドと呼ばれる化合物である。
もう1つの原料は石油から誘導されるジフェニールカーボネートである。両原料を溶融重合法(エステル交換法)によって重合する。

図 バイオポリカーボネートの作り方
図1に示すように、サトウキビから作られるエタノールを原料としてエチレングリコール(EG)を作る。EGと石油由来 ジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸と縮重合してPETを作る。
物性は石油由来PETと同等である。飲料ボトルやフィルムとして、シャンプーなどの詰め替えパウチやレトルトパウチなどで環境対応を重視したいものに使用されている。
また、繊維としては自動車シートや内装材に展開されている。上述の重合法で作られたプラスチックは植物由来成分を25wt%以上含んでいるのでバイオマスプラスチックである。
三菱化学が開発したバイオPCの諸物性を表に示す(注)。
表 バイオPCと石油由来PCの物性比較

バイオPCは石油由来PC(以下PCという)とほぼ同等の物性を有しているが、さらにバイオPCの分子構造に起因してPCよりも優れた特徴が見出されている。
PCは光学部品に使用する場合に光が透過すると複屈折が発生するという課題がある。複屈折が大きいと光的ひずみや読み取りエラーの原因になる。バイオPCは複屈折が小さいので光学部品への展開が期待されている。
PCは長期間屋外使用すると紫外線劣化(耐候劣化)して黄変または変色が起きやすい。また、透明品では霞度が増加して透視性が低下する。バイオPCに耐候処方を施すことで耐候性が大幅に向上する。
PCはすり傷が付きやすいという課題があるが、バイオPCは耐擦傷性が大幅に向上しており、光学部品や自動車内外装部品への展開が期待されている。
例えば、これらの優れた特徴を活かして自動車内装部品であるカラーパネルへの採用例が報告されている(注2)。
引用文献
1)佐々木一雄、成形加工、24(8),p.464~468,(一社)プラスチック成形加工学会(2012)
2)福田智子、他3名、成形加工、27(11),p.445~447,(一社)プラスチック成形加工学会(2015)
本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数
