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フローマーク対策:設計で対策する成形不良⑥

2026.04.22

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この記事では…

設計において、成形時のフローマークの対策方法について解説する。

(執筆:落合孝明/モールドテック)

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⁠フローマークとは樹脂が金型内を流れる際、流動フロント(先端)が波打ったり、金型壁面と接触・剥離を繰り返したりすることで生じる波状の模様です。特に、射出成形においてはゲート付近にできやすい現象です。波紋形状を製品として求めているわけではないので、外観不良の1つです。


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フローマークの主な原因で設計的な要因があるものとしては、流動フロントの不安定と急激な厚みの変化があげられます。

流動フロント(樹脂の流れの先端部分)の不安定とは、樹脂が型内を流れていくときに先端の樹脂が冷えて粘度が上がり、後続の樹脂に追い越されたり、めくれたりしてしまう現象です。また、急激な厚みの変化は、樹脂の流速を乱します。流速が乱れることによってフローマークが発生するのです。

このことが原因でフローマークが発生する顕著な場所がゲートの部分です。

射出された樹脂はランナーを通り、ゲートを介して製品部に充填されます。樹脂はランナーを通っている間にも表面が冷えて固化していきます。また、ゲートはランナーに対して形状を大きく絞っていますので、急激に厚みが変化した状態になります。

すなわちゲート付近では、「流動フロントの不安定」と「急激な肉厚の変化」の両方が起こっている場所となります。そのためゲート部分はフローマークが発生しやすくなります。


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このフローマークを設計上で対策します。

まずは肉厚の均一化を行います。ゲートほどではないにしても、製品形状でも急激に肉厚変化をさせると樹脂の流動が乱れてしまい、フローマークが発生する可能性が高まります。そのため肉厚は極力均一に設定し、変化をさせる場合でも急激な変化を避け、緩やかに変化をさせます。

ランナーからゲートに対しては次のような対策を行います。

流動フロントはランナーを流れる間も冷えて粘性が高くなってきます。この冷えた樹脂を溜めるスペースをランナーの末端や曲がり角に設けます。このスペースのことをコールドスラッグウェルと言います。ここに冷えた樹脂が溜まることで流動フロントが安定して流れるようになります。


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⁠さらにフローマークが発生するときにはゲートの最適化を行います。 樹脂がスムーズに流れるように、ゲートの幅などの形状を調整します。このようにして設計上でフローマークの対策を行います。

フローマークは射出速度や保圧の調整、金型温度などの成形条件でも抑えることができます。しかし、まずは設計で対策することでスムーズに成形に移行することが可能となります。

⁠(次回に続く)


ライタープロフィール

落合孝明(おちあいたかあき) 1973年生まれ。株式会社モールドテック代表取締役(2代目)。デザインとエンジニアリングの両面から製品開発の支援をする設計屋。アイデアや現品からのデータ製作や製造手配まで製品開発全体のディレクションを行っている。文房具好きが高じて立ち上げた町工場参加型プロダクトブランド『factionery』では、第27回日本文具大賞機能部門優秀賞を受賞している。

著者

『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)

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PlaBase編集部
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