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樹脂の成形特性(1)   10 成形材料によって決まる成形条件:射出成形技術者向け!成形不良対策塾 中・上級編(10)

2026.07.27

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この記事は...

プラスチック成形時における種類ごとの成形条件について解説する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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⁠射出圧、保圧、射出速度、射出時間、保圧時間、冷却時間などの成形条件は成形品に応じて成形する人が適切な条件に設定するが、予備乾燥温度、成形温度、金型温度の3条件の範囲はプラスチックによって決まる。

主なプラスチックの予備乾燥温度、成形温度、金型温度の条件範囲を表に示す。

表 主なプラスチックの予備乾燥、成形温度、金型温度

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一般的に予備乾燥は乾燥温度が高いほど乾燥効果は大きいので高い方が良い。しかし、温度が高過ぎると材料(ペレット)の熱酸化変色やペレット同士の融着などの不具合が起きる。

そのため、これらの不具合が起きない最高温度が最適乾燥温度である。また、耐熱性の高い材料は最適乾燥温度を高く設定できる。一方、乾燥時間は吸水平衡に達するまでの時間である。乾燥時間は通常3hr~4hrで吸水平衡に達する。乾燥時間が長過ぎると材料が熱酸化変色するので注意しなければならない。

表に示すように、成形温度は上限温度と下限温度がある。

上限温度はシリンダ内での滞留中に熱分解しない温度である。通常、ホッパーから落下した材料(ペレット)が溶融されノズルから射出されるまでの滞留時間は、10min~20min程度である。この滞留時間内に熱分解(熱酸化分解)しない温度が上限温度である。

下限温度は流動性を示す温度である。耐熱性の高いプラスチックほど溶融流動性を示す温度は高いので成形温度は高くなる。なお、成形温度は成形時の設定温度であるが、樹脂温度とは一致しない点に注意しなければならない。スクリュで可塑化する際に、せん断発熱によって設定温度より樹脂温度は10℃~20℃程度高くなるのが一般的である。スクリュ回転数を高く設定すると樹脂温度はさらに高くなり熱分解を誘発するので注意しなければならない。

金型温度も上限温度と下限温度がある。金型温度が高いと冷却時間を長くしなければならないので、上限温度は冷却時間との兼ね合いから決まる。金型温度が低すぎると残留ひずみ、後寸法変化、外観不良などが発生しやすい。下限温度はこられの不良が発生しない金型温度に設定する。


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プロフィール

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⁠本間精一(ほんま・せいいち)
⁠三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックにおいてPC、POM,変性PPEなどの研究開発に従事。 退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数

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