【角R】金型を考慮した製品設計その5:射出成形の基本(5)
2019.10.23
金型を考慮した製品設計その5 角R
パソコンのキーボード、モニター、ペットボトルなど身近にある樹脂製品の角はどうなっているだろうか?おそらく角には丸みがついているはずである。
この『丸み』のことを『R』と言う。一見Rがついていないような製品でも、よく見ると微小なRがついている。基本的に製品の角部はRになる。

製品設計の観点からRをつける理由は主に2点あげられる。
理由1.製品の耐久性
製品をぶつけてしまった時に、角にRが付いている場合と付いていない場合ではその耐久性が違ってくる。Rが付いていないということは製品が尖っているわけであり、それだけ製品が欠けやすくなってしまう。
理由2.使いやすさ、安全性
その製品を持ち上げた時に、角が尖っている場合とRが付いている場合では、持ちやすさが全く異なる。また、製品によっては角であるために手や肌を傷つけてしまう場合もある。
例えば、お風呂で使うプラスチック製の椅子。
お風呂の椅子は座る部分の真ん中に穴が開いており、その穴の周りには大きめのRがついている。また、座る部分の周りにも同じく大きめのRが付けられている。
この穴には、椅子を持ち運ぶために手を入れる。そして、風呂の椅子には裸で座る。もしRがついていなければ、穴に手を入れる際に手を傷つけないまでも入れづらいし、座の周りにRがついていなければ座っていて角が当たって非常に座りにくいはずである。
このように製品によっては、角であったが為に使用者が怪我をしてしまうケースも十分考えられる。たかが丸みをつけるとは言え馬鹿にはできない。製品に対してRをつけることは非常に重要なことなのである。
ただし、金型の加工のことを考慮した場合には必ずしもRがついていればいいとは限らない。例えば次の断面のパーティングライン部分にRがついている場合。パーティングラインの位置はRがある時とない時では異なってくる。

この様な場合、Rがついたからといってアンダーカットができてしまったなどといった金型構造上の大きな違いはなく、Rの有無にかかわらず通常の型抜きで対応できる。
しかし、金型の形状をみると可動側の形状がRの有無で異なる。

Rがある場合の金型ではこのR部分の加工が必要になるため、Rがない場合の金型に比べて金型の加工工数が余分にかかってしまう。そのため加工のことを考えればRは無い方がよいということになる。
もちろんこの位置に人の手が触れるようであれば製品の使いやすさを考慮してRは付けるべきであり、製品としての使いやすさと金型としての加工のし易さのどちらを選択するかはその都度判断が必要となる。
量産に向けた製品設計のポイント
- 製品の耐久性や使いやすさ、安全性を考慮して角にはRをつける。
- ただし、金型として加工のし易さを考えRをつけない場合もある。
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