テーマ別!試作手法の選び方徹底ガイド1ーあなたのニーズにあった試作手法が必ず見つかる!ー
2018.02.27とりあえず形状を確認したい
「とりあえず形状を確認したい」という場合におススメなのが、3Dプリンタによる出力です。3Dプリンタは、材料を積層しながら形状を作っていく。LEGOブロックで建物や乗り物を作るように、1層目、2層目と下から順番に1層ずつ2次元で形をつくり積み重ねていきます。3Dプリンタを用いた出力では「積層ピッチ」という表現を使いますが、これはそれぞれの層の高さ、LEGOブロックでいうところのブロックの高さを意味します。
3Dプリンタの種類
3Dプリンタと一言で言っても、利用する材料や成形方法によってFDM方式、紫外線硬化インクジェット方式、石膏インクジェット方式、粉末焼結方式などいくつかの種類があります。
FDM方式(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層方式)は、フィラメントと呼ばれるひも上に加工された材料を熱で溶かし、成形したい形状に合わせて一筆書きのように押し出して1層ずつ成形していきます。材料としてよく用いられるのはABS、PC、PC/ABSで、着色された材料を用いてカラフルな試作品を作ることも可能です。ネット等で見られる安価な3Dプリンタは、このFDM方式が多いようです。ABSなどの材料を使うので、それなりに強度もあります。難点としては、積層ピッチが大きく、どうしても断面にギザギザが生じてしまいます。
紫外線硬化インクジェット方式は、インクジェットプリンタのようにプリンタヘッドから紫外線で硬化するアクリル樹脂を射出し、紫外線で固めて積層する方式。積層ピッチが小さく、高精細な試作品を造形できます。難点としては、アクリル系の材料なので成形品の耐久性が弱いことです。
石膏インクジェット方式は、インクジェットプリンタのようにプリンタヘッドから石膏と結合剤を射出し、積層していく方式。色のついた結合剤を複数用いることで、フルカラーの造形も可能で、造形速度も比較的早いです。
粉末焼結積層方式は、粉末状の金属や樹脂にレーザーを照射して焼結させ、積層していく方式。ナイロン樹脂や金属など耐熱性や強度のある材料を利用できます。難点はコスト。3Dプリンタ自体の価格は数千万円と高く、利用にも熟練を要します。
3Dプリンタの問題点
上記のように3Dプリンタの種類はいくつかあり、仕様する材料も様々ですが、共通する課題が2つあります。一つはコスト、もう一つは再現性です。
3Dプリンタは、1個だけ作るのであれば安価ですが、1個ずつ造形するという特性上、複数個作っても規模の効果を出すのは限定的です。複数の造形品を同時に造形してコストダウンを図る方法もありますが、同じ形状のものを複数作るから安くなるというわけではありません。
もう一つの再現性は、実際の量産品と素材や製造方法が違うという問題です。確かにABSやPC、ナイロンなどの材料の選択肢は複数ありますが、ABSの3Dプリンタで造形したからABSの量産品と同じ機械的特性をもつわけではありません。また、プラスチック製品の量産は射出成形で作られることが多く、3Dプリンタによる出力では当然作り方も違います。あくまで「形状確認」程度にとどめた方が無難です。
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