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【第3回】プラスチック加飾技術〜最近の動向2〜

2020.04.14

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今回の記事は…

プラスチック加飾技術について紹介する連載の第3回。今回も引き続き、プラスチック加飾に関する最新動向について解説する。

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塗装代替(めっき代替)加飾

VOC(Volatile Organic Compounds)、CO2発生、作業性、コストなどの観点から、従来手法に代わる乾式加飾が求められている。本分野の代表的な対象として、自動車外装、外板があり、フィルム加飾、モールドインカラー等の乾式加飾の適用に強い関心が持たれ、一部実用化が始まっている。

1  塗装代替(めっき代替)加飾について

ウエット方式である塗装やめっきから代替できる加飾として、乾式方法のNSD(Non Skin Decoration)とフィルム貼合、転写加飾、ならびにインモールド塗装が考えられる。NSD  、特に、モールドインカラーは、意匠表現性には限界があるが、低コストで、VOC発生の問題や、CO2発生の環境問題、作業性を改善、向上できる方法でとして注目されている。フィルム貼合、転写加飾は、コストがかかる方法であるが、意匠表現性に優れ、機能付加にも優れた方法として注目されている。

また、インモールド塗装は、塗装の一種であるが、有機溶剤等を使用せず、金型内に反応性塗料を注入する方法で、環境問題を改善できる方法として注目される。


2  自動車外板(ボディパネル)への塗装レス加飾技術の展開

上記塗装代替技術による自動車外板への展開は、過去から検討されているが、単に、従来の塗装品の代替だけでは、短期で大幅な普及は難しい。材料、意匠、機能付与などの特徴を盛り込んで、塗装では困難な新たな外装を目指すことが重要である。

例えば、環境性能、作業性改善(VOC削減など)の他、高度な装飾付与(グラフィカル、テクスチュア)、電磁波性能付与(電波、ミリ波、赤外線透過、EMIシールド等)、光性能付与(LED照明、光透過表示)、空力性能付与(空気抵抗低減)、セルフクリーニング、断熱(遮熱)などが考えられる。

(1)  加飾フィルム貼合自動車外板

図2-5は欧米でのフィルム加飾のボディパネルへの採用例である。

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【図2-5 欧米の自動車外板用フィルムと採用例】

ペイントレスフィルム(*2-11)を用いたIMFの外板パネルが2000年代前半に登場しており、自動車の外装仕様を満たすフィルムも複数メーカーから供給されている。日本では、布施真空(株)(*2-12)が活発な検討を行っており、展示会への出展で大きな反響があった(図は省略)。

実車では、図2-6に示すように、ダイハツ(株)のキャスト等の2トーンのルーフパネル(*2-13)に、共和レザー(株)が開発したフィルム、工法(*2-14)を用いた加飾フィルム貼合(フィルムラッピング)が採用され、他の車にも展開されている。

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【図2-6 フィルム加飾による外装検討・採用例(日本)】

キャストのルーフには、セルフクリーニング機能が付加されており、さらに、共和レザー(株)は塗装ではできない主要な意匠例を示している。日本における自動車外板用フィルムは、大日本印刷(*2-15)や、デンカ(*2-16)等が、展示会で出展しているが、多くは、未公開となっている。その他、カスタマイズ用として、短期間で貼り替えすることを中心とするフィルムラッピングがある。

(2) モールドインカラー自動車外板

図2-7に示すように、欧米で、モールドインカラー品および原着シートを熱成形した部品も実用化(*2-17)されている。

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【図2-7 モールドインカラーによる塗装代替自動車外板採用例】

日本では、三菱ケミカル(株)が開発したバイオPC(デュラビオ)着色材料(*2-18)を用いたモールドインカラーの外装部品がマツダのロードスターRFに採用され、マツダ(株)では、塗装外板との性能比較評価を行い、遜色がないことを発表(*2-19)している。

(3) インモールド塗装(型内塗装)自動車外板部品

Krauss Maffeiがインモールド塗装(型内塗装)による部品をK2016で展示した。これは、射出後金型を少し開いて(キャビ型を交換して)、反応型塗料を注入して成形(図は省略)するもので、欧米では実用化されている。

(4) 塗装レス自動車外板の現状と将来展望

図2-8に、フレーム+車体構造の車が普及した場合のボディ樹脂化、塗装レスの流れを示した。

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【図2-8 ボディ樹脂化、塗装レスの流れ】

現在の乗用車の大部分を占めるモノコックシャーシの車では、図2-6に示した共和レザーの方法等が、少なくとも当面主流となって進むことが予想される。

次回へ続く)


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今回の記事の文献

*2-11)http://www.ptonline.com/articles/where-the-action-is-decorating-with-formable-films
*2-12) 布施真空(株) コンバーテイングテクノロジー総合技術展2015、2017、2019
*2-13)ダイハツ https://www.goo-net.com/magazine/104929.html
*2-14) 共和レザー(株) 2019/9/11 加飾技術講演会の資料(許可を得て掲載)
*2-15) 大日本印刷(株) オートモティブワールド2018
*2-16) デンカ(株)  https://www.denka.co.jp/product/detail_00236/、技術資料
*2-17) Smart 各種情報
*2-18) 三菱ケミカル(株)
https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/sustainable/product/1200363_7166.html
*2-19) マツダ(株)
http://www.mazda.com/globalassets/ja/assets/innovation/technology/gihou/2016/files/2016_no014.pdf

著者

MTO技術研究所 兼 加飾技術研究会 桝井捷平

 

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桝井捷平

MTO技術研究所 兼 加飾技術研究会