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【第4回】プラスチック加飾技術~フィルム加飾技術~

2020.05.14

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今回の記事は…

プラスチック加飾技術について紹介する連載の第4回。今回は、フィルム貼合、転写加飾(フィルム加飾)技術に関する最新動向について解説する。

 

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フィルム貼合、転写加飾(フィルム加飾)技術

「フィルム貼合・転写加飾技術」は、印刷、塗装、真空蒸着、着色などで加飾したフィルム(またはシート)を用いて、フィルムを成形品表面に貼合させる、あるいは意匠層のみを成形品に転写させる加飾技術であり、現在最も活発な動きのある加飾技術である。

フィルム貼合、転写加飾の優位性は、①絵柄、文字、色、メタリック、艶消し、テクスチュアで意匠表現ができ、意匠表現性にすぐれている。②表面性能、電気・電磁波・光機能等の各種機能が付加しやすい。③フィルムの段階で、印刷、蒸着、塗装等の作業が終わっており、環境にやさしい状態で成形作業が行えることであり、課題は、“①コストがかかり、コストに見合ったあるいはそれ以上の付加価値の付与が必要。”、“②H/D(深さ/幅)、アール、アンダーカットで制約”がある。

フィルム貼合、転写加飾に使用される成形方法

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【 図1 】

フィルム貼合、転写加飾成形方法を図1に示す。成形と同時にフィルムで加飾するインモールド加飾(In-Mold Decoration、IM-D)と成形品に後からフィルムで加飾するアウトモールド加飾(Out-Mold Decoration、OMD)に分類される。更に、それぞれフィルムを成形品に残す貼合(IMF、OMF)と意匠面のみを成形品に転写(IMR、OMR)に分類される。

インモールド加飾(IM-D)

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【 図2 】

フィルムインモールド加飾(In-Mold Decoration、IM-D)の成形工程の概要図を図2(*3-1)に示す。

インモールド転写(IMR)は、携帯電話、ノートパソコン等の筐体の成形に広く採用されてきた方法で、形状の単純なものの大量生産に適した方法である。
インモールド貼合(IMF)は、形状の複雑なもの、深いものに使用されることが多く、外部で予備賦形した予備賦形品を金型にインサートして、成形する。IMF(OMFも同様)は、フィルムを製品に残すので、耐久性に優れ、フィルムに付与した各種機能を製品に付与できるのが特徴である。IMRより厚いフィルムを使用すること、予備賦形が必要なこと、成形の前か後でトリミングが必要なこと等からコストは高くなるが、自動車内外装部品、建材、家電部品、化粧品ケースなどに使用されている。

インモールドラベリング
フィルムを延伸させることなく、展開(変形)させるだけで、インモールド貼合する方法をインモールドラベリング(IM-L)と言っている。フィルムの加熱も不要で、簡単に容器などの加飾ができることからブロー成形、射出成形等の容器加飾として広く利用されている。

フィルムアウトモールド加飾(Out Mold Decoration、OMD)

オーバーレイ成形

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【 図3 】

成形品などにあとからフィルムを貼合、転写するアウトモールド成形として最も代表的な方法は、布施真空㈱(*3-2)の「TOM(Three Dimension Over-lay Method)」等のオーバーレイ成形(Over-Lay Method)である。

オーバーレイ成形そのものは古くからあった方法であるが、現在の方法は、布施真空㈱のTOM工法(Three-dimension Over-lay Method)ならびにナビタス㈱のNATS(*3-3)、㈱浅野研究所のTFH(*3-4)である。図3に示すように、3社の方法の基本原理は、同一で、加熱したフィルムを、基材の上下での差圧を利用して、基材に貼合または転写する。特長は、1)逆テーパー、端末巻き込み可能、2)表面凹凸模様を残せる、3)基材はプラスチックに限定されない、4)少量多品種に適し、大型成形にも適する、5)小型部品は多数個取り可能、6)各種応用展開が可能である。特に、1)、2)、3)、5)、6)は、IM-Dでは、非常に困難であり、国内のみならず海外でも注目され、採用が拡大している。ここ数年で、自動車内装部品の採用が飛躍的に増えていると言われている。多くの利点、幅広い展開の可能性があり、ますます普及していくものと期待される。
布施真空㈱では、近年、TOMに続いて、neo-TOMを開発して、自動車のルーフパネル、他のパネル(フード等)の外装への塗装代替加飾に注力している。

水圧転写(Water Pressure Printing、WPP)
水溶性フィルムを水に浮かべて、成形品を押し込んで、成形品に印刷柄などで加飾する方法で、大日本印刷㈱のカールフィット(*3-5)、㈱タイカのキュービックプリンティング等が代表的な方法である。基材はプラスチックに限定されない、多数個取りが可能、大型成形が可能などの特徴があり、日本・韓国などアジアでのソフト感を必要としない自動内装部品などに広く採用されてきたが、最近需要は頭打ちの傾向にある。

ホットスタンピング(Hot Stamping)
成形品上に箔を刻印するホットスタンプがある。通常は平面への刻印であるが、型を使用して3次元形状への刻印も可能である。

次回へ続く)


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>>>>連載「プラスチックの加飾技術」一覧⁠⁠

参考文献

*3-1) https://www.nissha.com/products/allproducts/process.html

*3-2)  布施真空㈱ http://www.fvf.co.jp/technology/index4.html、説明資料
*3-3) ナビタス㈱ https://www.navitas.co.jp/products/tokushu-insatsuki/nats/ 説明資料
*3-4)  ㈱浅野研究所 http://www.asano-lab.co.jp/products/test/tfh.html 説明資料
*3-5)  阿竹浩之,工業塗料,No184,P58

著者

MTO技術研究所 兼 加飾技術研究会 桝井捷平

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桝井捷平

MTO技術研究所 兼 加飾技術研究会