「PlaBase試験動画シリーズ」では、プラスチックのさまざまな試験を動画でご紹介します。今回は「シャルピー衝突試験」についての解説です。
プラスチックのシャルピー衝撃試験:PlaBase試験動画シリーズ
2020.06.04
今回の記事は…
・使用機器
デジタル衝撃試験機
・関連規格
JIS K 7111「シャルピー衝撃特性の求め方 第1部非計装化衝撃試験」
JIS K 7100「状態調節及び試験のための標準雰囲気」
JIS K 7139「試験片」など
シャルピー衝撃試験
衝撃試験は、材料の「脆さ」や「粘り」を評価する試験になります。シャルピー衝撃試験では、試験片を2支点で水平に支え、ハンマ(振り子)で一撃に破壊した時に要したエネルギーを断面積で除してシャルピー衝撃強さを求めます。一般的には、試験片にはノッチ(切り込み)を入れ、その背面から打撃を加えます。
試験機
デジタル衝撃試験機は、ハンマと試験片支持台を取り換えることにより、シャルピー衝撃試験とアイゾット衝撃試験を行うことができます。エネルギーはハンマの持ち上げ角度と振り上がり角度の差(位置エネルギーの差)から求め、空振りの時の振り上がり角度で補正します。秤量:2Jまたは4J、持ち上げ角:150度、支点間距離:62㎜です。
試験片
一般的には、タイプ1試験片(長さ:80㎜、幅:10㎜、厚さ:4㎜)を使用します。試験片数は10本です。ノッチにはいろいろな種類がありますが、試験片の幅に対して形状Aノッチ(先端半径:0.25㎜、切り込み深さ:2㎜)を入れ、背面から打撃を加えるエッジワイズ衝撃とします。
試験条件
試験項目、試験温度・湿度、状態調節などを決定します。
試験項目
試験片の作製方法
射出成形や圧縮成形で直接成形する場合や、シートや製品から切削加工で作製する場合があります。
ノッチ
ノッチ形状の切削刃を使用して切削加工でノッチを試験片に入れます。射出成形などでノッチが組み込まれた金型で成形することも可能ですが、切削の場合と値が変わります。
破壊形式
完全破壊、ヒンジ破壊、部分破壊、試験片が曲がるだけの未破壊を確認します。層間せん断破壊を起こす材料では、その破壊の形式を分類します。
報 告
試験片の作製方法、試験片形状、試験片の数、状態調節、試験環境、測定値、平均値、破壊形式などを報告します。
参考文献
大阪市立工業研究所 プラスチック読本編集委員会 プラスチック技術協会共編,プラスチック読本,プラスチックス・エージ(2015)
本間清一,プラスチック製品の強度設計とトラブル対策,NTS(2018)
(文責:富山県産業技術研究開発センター 水野 渡)
水野 渡(みずの・わたる)
2024年 合同会社水野商会 代表社員、プラスチック成形(射出成形作業)1級技能士。
富山県下新川郡入善町下山(にざやま)出身。1987年に富山大学理学部を卒業後、富山県庁も入庁し、富山県工業技術センター(現:富山県産業技術研究開発センター)で、プラスチック関連技術の研究などに従事。

