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プラスチック材料メーカーが開発する3Dプリンタ向け材料:3Dプリンタ動向

2020.06.02

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今回の記事は…

3Dプリンタの動向について解説する本連載。今回は、プラスチック材料メーカーが開発するさまざまな3Dプリンタ向け材料を紹介していきます。

 3Dプリンタで使える材料は、射出成形など従来工法と比較して種類が限定的です。3Dプリンタは、プロセスや用途が特殊ということもあり、3Dプリンタメーカーが中心となり専用材料を開発してきたため、純正材料のみしか使用できない方式や機種が今も少なくありません。従来、実質の「囲い込み」ともいえるこの状況が、材料価格の低価格化を阻んできたといわれます。ところが近年では、従来の材料メーカーを巻き込んで3Dプリンタ材料の開発をしていこうという動きが見られるようになりました。

FDMについては、通常の工業向けプラスチック材料を溶融して固化する方式のためか、メーカー以外の企業(サードパーティー)が開発するフィラメント(材料)開発が、以前からよく見られます。金属3Dプリンタは、焼結圧粉でも使われる粉体材料を扱う国内金属材料メーカーの参入が少しあります。

折れづらくて透明感があるPLAの造形

FDMでもPLA(ポリ乳酸)が使えますが、折れやすいという弱点がありました。また材料色は半透明で、透明度はそれほど高くありません。ユニチカのバイオマス素材「テラマック」を使ったPLAフィラメントは透明度が高く、折れにくくなっています。その上、有害な重金属類を含まず、人体に無害であるとしています。

POMをFDMで

POM(ポリアセタール)は従来3Dプリンタでは使用できないとされてきました。武藤工業の「MF-2500EP II」専用になりますが、旭化成の「テナック」を使ったPOMフィラメントがあります。このフィラメントには添加剤を含まず、食品加工工程にも使えるということです。

PPSを粉末焼結積層造形で

粉末焼結積層造形の樹脂材料は従来、ナイロンが主でしたが、耐熱性や強度に課題がありました。東レは3Dプリンタ向けのPPS(ポリフェニレンサルファイド)の粉末材料「トレミルPPS」を開発しました。PPSは強度が高く、耐熱性や耐薬品性、難燃性に優れた素材です。航空・宇宙や自動車関連の、金属で作られた部品を置き換えることも可能とされています。

エンジニアリングプラスチックも3Dプリンタで

ポリプラスチックスは粉末焼結積層造形の材料としても使えるパウダー化したエンジニアリングプラスチック「エンプラファインパウダー」を開発しました。従来、成形前のエンジニアリングプラスチックはペレット状態であり、強度の高さから粉末化は困難とされてきました。

同社では既に、「ジュラコンPOM(アセタールコポリマー)」、「ジュラネックスPBT(ポリブチレンテレフタレート)」、「ジュラファイドPPS(ポリフェニレンサルファイド)」、「ラペロスLCP(液晶ポリマー)」、「トパスCOC(環状オレフィンコポリマー)」の粉末化に成功しているとのことです。

柔らかい素材をFDMで

ホッティポリマーはFDM向けに軟質フィラメントの「HPフィラメント」を開発しています。造形前のフィラメントは剛性が高くなっていて、縦方向に伸びにくくなっています。FDMでは安定した造形が難しいとされた軟質材料の造形で品質が高められるようになりました。ホッティポリマーはフィラメント供給用チューブも製作しています。

水溶性のサポートフィラメント

クラレは、生分解性と水溶性を特長とするポリビニルアルコール(PVOH、ポバール)樹脂「MOWIFLEX」のフィラメントを開発しています。こちらはサポート向けの材料です。PLA、PA、PVB、TPUなどの材料の接着性を向上させたということです。

前の記事でも説明しましたが、水溶性のサポートはバケツを張った水に付けるだけではがせるため、除去が容易です。MOWIFLEXのサポートは空気中では湿気が吸いづらく、冷水の中では溶けやすくなっています。

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PlaBase編集部
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