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多数個取りするときのランナーバランス、どうしたらいいの?:射出成形の基本(10)

2020.08.20

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今回の記事は…

射出成形の基本について解説する本連載。今回は、射出成形機金型の構成や動作について解説する。

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スプルーから製品までの樹脂の通り道のことを「ランナー」という(図1)。

【 図1:スプルーとランナー 】

特に1つの金型で複数の製品を成形する場合には、ランナーのバランスが重要になる。バランスが悪いとショートショットや過充填などの不具合の原因となってしまう。同じ成形品を複数同時に成形するのであれば、スプルーから成形品までのランナーの距離を均一にすることでランナーバランスを取る(図2)。

【 図2:ランナーバランス 】

下図は多数個取りのレイアウトの参考例である。4の倍数個取りであれば、トーナメント式のレイアウトにすることでバランスを取ることが比較的容易である。その他の取り数ではバランスの取れたレイアウトは簡単にいかず、ランナーの距離を均一にしない場合もある(図3)。

【 図3:多数個取りのレイアウト例 】

また、同一製品を同時に成形する場合はバランスが取りやすいが、異なる形状の製品を複数同時に成形する場合には、単にランナーの距離を均一にしてもバランスが良いと言えない。ランナーの太さや距離を調整することでバランスを取るが、どうしてもバランスに不安が残る場合には、ランナーを切り返しできるランナーチェンジピンを設定し、それぞれを単独で成形できるようにすると良い。

金型内部に射出される液状の樹脂が射出されて流れていく。樹脂は常温では個体であるため、徐々に流動樹脂の先端から冷えて個体となる。この流動樹脂の先端をコールドスラッグという。このコールドスラッグをそのまま製品面に射出してしまうとフローマークやジェッティングといった外観不良の原因となってしまう。

ランナーそのためランナーにコールドスラッグを溜めておくコールドスラッグウェルを設ける必要がある(図4)。コールドスラッグウェルを設定する箇所は以下の2点になる。

1.ランナーの曲がる部分や分岐する部分

2.スプルー直下

【 図4:コールドスラッグウェル 】

このように金型のレイアウトを決める際には、ランナーのバランスを考慮し、必要に応じてコールドスラッグウェウルを設定することが必要になる。

次回へ続く

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落合 孝明(おちあい・たかあき)

1973年生まれ。株式会社モールドテック代表取締役(2代目)。デザインとエンジニアリングの両面から製品開発の支援をする設計屋。アイデアや現品からのデータ製作や製造手配まで製品開発全体のディレクションを行っている。文房具好きが高じて立ち上げた町工場参加型プロダクトブランド『factionery』では、第27回日本文具大賞機能部門優秀賞を受賞している。

著書:『金型設計者1年目の教科書』(日刊工業新聞社)『すぐに使える射出成形金型設計者のための公式・ポイント集』(日刊工業新聞社)『プラスチック製品設計者1年目の教科書』 (日刊工業新聞社)

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