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プラスチックやポリマーとは何なのか:プラスチック材料の基礎知識(1)

2021.06.29

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この記事では…

ポリマーとプラスチックの定義や、熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチックについて解説する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

「ポリマー(高分子)」は、構成単位である原料(モノマー)を重合反応によって繰り返し結合したものである。

「プラスチック」は、ポリマーを必須構成成分とし、必要に応じて配合剤(添加剤、着色剤、強化材、他ポリマーなど)を練り込んだ成形可能な材料のことである。

プラスチックを「樹脂」と表現することもある。樹脂の語源は樹木から分泌されにじみだして固まった樹脂状物質のことであったが、その後、プラスチックのことを「合成樹脂」、またはそれを略して樹脂と表現するようになった。

繊維、ゴム、塗料などもポリマーからなっているが、成形可能な材料ではないので、プラスチックには分類されない。

熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック

プラスチックは、熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチックに大別される。

熱可塑性プラスチック

「可塑性」とは、力を加えると変形し、力を除いても元に復元しない性質をいう。加熱すると可塑性を示すものを熱可塑性という。熱可塑性プラスチックは加熱すると可塑性を示して成形でき、冷やすと固化するものである。再度加熱すると可塑性を示して成形できる。プラスチックの性質は主原料である熱可塑性ポリマーの性質を反映する。

熱可塑性ポリマーの概念図を図1に示す。

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図1 熱可塑性ポリマーの概念図

長い鎖状の巨大分子の集まり(集合体)である。
ポリマーは共有結合と呼ばれる強い結合で結びついている。ポリマー間はファンデルワールス結合という弱い結合で結びついている。また、ポリマ―間には絡み合いもある。

加熱するとポリマーの熱運動が活発になり、ポリマー間のファンデルワールス結合力は弱くなる。そのため、温度上昇に伴って強度や弾性率は低下し、やがて溶融状態になる。

熱硬化性プラスチック

熱硬化性プラスチックは、成形材料の段階では流動性を示して成形でき、加熱すると硬化するプラスチックである。一たん硬化すると加熱しても流動しないので再度成形することは困難である。

熱硬化性プラスチックは「プレポリマー」(注1)と「硬化剤(架橋剤)」に、必要に応じて添加剤、充填材、着色剤を加えて加熱硬化(注2)させて成形したものである。

熱硬化性ポリマーの硬化後の分子構造の概念を図2に示す。

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図2 熱硬化性ポリマーの概念図

プレポリマー間は架橋分子によって橋が架かった構造であるので「網状ポリマー」とも呼ばれている。プレポリマーは架橋構造になることで見かけ分子量は増大してポリマーとなる。ポリマー間は架橋分子で共有結合しているのでポリマーの熱運動は制約される。そのため再度加熱しても可塑性を示さなくなる。

次回へ続く)

筆者注
注1:重合反応を途中で止めた分子量の低いポリマーをいう。
注2:硬化剤(架橋剤)がプレポリマー間に化学反応して網状ポリマーになることをいう。


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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数