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熱硬化性プラスチックの作り方:プラスチック材料の基礎知識(2)

2021.07.27

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この記事では…

熱硬化性プラスチックの作り方について解説する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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熱硬化性プラスチックの作り方にはいろいろな方法があるが、ここでは代表的な例を説明する。

熱硬化性ポリマーの硬化原理を図1に示す。

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図1 熱硬化性ポリマーの硬化原理

まず、原料(モノマー)からプレポリマーを合成する。プレポリマーは熱可塑性ポリマーと同様に線状ポリマーであるが、分子量が低いものである。硬化反応を起こさせるため、プレポリマーには反応しやすい分子鎖(官能基)が設けられている。プレポリマーに硬化剤(架橋剤)を混ぜて加熱すると、硬化剤の分子末端と官能基が反応して同図に示す網状ポリマーとなる。

従って、熱硬化性プラスチックは成形材料の段階では線状ポリマーであるが、成形工程で加熱すると網状構造になり熱硬化性プラスチック成形品となる。

実際には、熱硬化性プラスチックの成形材料と成形法の関係を図2に示す。

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図2 熱硬化性プラスチック成形材料と成形法

1. プレポリマーに硬化剤とともに、必要に応じて添加剤、充填材、着色剤を混ぜた成形材料などで成形品を作る:圧縮成形法(注1)、トランスファー成形法(注2)、射出成形法(注3)
2. 硬化剤を含んだ液状プレポリマー、または溶剤に溶解した溶液をクロス、マットなどの基材に含浸させてシート状にした成形材料(プリプレグ)で板状の成形品を作る。:積層成形法(注4)
3. プレポリマー、硬化剤とガラス繊維を別々にした成形材料で大型成形品を作る。:ハンドレイアップ法(注5)やスプレーアップ法(注6)
4. 液状化合物またはプレポリマーと硬化剤を混ぜた材料で成形品を作る。:注型成形(注7)
5. 2液の化学原料と触媒、硬化剤などを含む液状材料で成形品を作る。:LIM成形(注8)

次回へ続く)

筆者注

注1:金型に成形材料を投入し、加熱しながら圧縮し硬化させて成形品を作る成形法。

注2:成形材料をタブレットにして予熱後に加熱筒に移動(トタンスファー)し、硬化しない程度の成形温度で軟化させた後に型内に射出し、高温で加熱硬化させて成形品を作る成形法。

注3:成形材料を硬化しない程度の成形温度で軟化させたのち型内に射出し、高温で加熱硬化させて成形品を作る成形法。

注4:熱板の間にプリプレグを何枚か積層プレスして積層板を作る成形法。

注5:繊維強化材と液状樹脂(硬化剤を含む)を型面に塗布積層し、加熱硬化して成形品を作る成形法。

注6:繊維ロービングを切断しながら液状樹脂(硬化剤を含む)と型面に吹き付けて塗布積層し、加熱硬化して成形品を作る成形法。

注7:液状化合物またはプレポリマーに硬化剤を混ぜて型内に流し込み、加熱硬化させる成形法。

注8:2液の液状原料と触媒、硬化剤などを混合して型内に射出して反応硬化させて成形品を作る成形法。

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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数