熱可塑性プラスチックの作り方について解説する。
熱可塑性プラスチック材料の作り方(1):プラスチック材料の基礎知識(3)
2021.09.02
この記事では…
(執筆:本間精一/本間技術士事務所)
>>前回の記事
熱可塑性プラスチック(ポリマー)を作るにあたり、まず原油を常圧蒸留によって沸点別に分離した成分の1つであるナフサ(粗製ガソリン)を得る。ナフサを分解、化学合成などによってエチレン、プロピレン、ベンゼンなどの基礎化学原料を作る。
ポリマーのスタート原料になるものをモノマーという。基礎化学原料をモノマーとして、または基礎化学原料から合成したモノマーからポリマーを合成する。モノマーを反応させてポリマーを合成することを重合という。熱可塑性ポリマーを重合するには、いろいろな方法があるが、代表的な重合法には次の方法がある。
(1)付加重合法
図1に示すように、重合開始剤によって活性化したモノマーの末端に次々とモノマーを結合させてポリマーを作る方法である。この方法で作られたポリマーには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレートなどがある。

図1 付加重合の概念図
(2)重縮合法
図2のように、モノマーの間から、ある成分がとれてポリマー同士を結合させてポリマーを重合する方法である。縮重合法、縮合法ということもある。この方法で作られたポリマーにはポリカーボネート、ポリアミド66,ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどがある。

図2 重縮合法の概念図
(3)開環重合法
図3のように、環状モノマーの環が切れてモノマー同士を結合させてポリマーを重合する方法である。この方法で作られたポリマーにはポリアミド6がある。

図3 開環重合法の概念図
それぞれの方法ポリマーを重合するに当たって、次の点に留意する必要がある。
①成形性や強度を考慮して、目標の分子量または粘度の範囲に入るように重合条件を調整する。
②不安定分子末端があると成形時や高温使用時に熱分解しやすいので、分子末端を安定化する。
③未反応物、重合助剤、溶剤類などを分離・精製する。
(次回へ続く)
本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数
