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クリープ破壊強度はどのような強度か:プラスチックの強度(18)

2021.09.16

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この記事では…

プラスチックのクリープ破壊について解説する。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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「クリープ破壊」は一定の応力を負荷した状態で長時間放置すると破壊する現象であり、「クリープ破断」や「クリープラプチャー」ということもある。破壊する応力がクリープ破壊強度である。実際にはクリープ破壊に先立ってクラックが発生するが、クラックが発生すると間もなく成長して破壊するので、応力と破壊時間の関係を測定する方法が取られている。クリープ破壊は負荷する応力によって破壊するまでの時間は変化する。

図1に示すようにクリープ破壊特性はクリープ破壊時間 tB(対数)を横軸に、応力σを縦軸に表す。

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図1 クリープ破壊特性

同図の特徴は tBとσは負の勾配の直線関係になり、σが小さいほど tBは長くなる。また、同図には温度の影響も示しているが、実用温度範囲においては同一応力では温度が高くなるほど、クリープ破壊時間は短くなる傾向がある。

クリープ破壊では5~10年以上使用したときに破壊するかが問題になるので、実験によってクリープ破壊時間を測定するのでは製品化に間に合わない。そのため、実験値を延長(外挿)して、実用応力におけるクリープ破壊時間を予測する方法が取られている。

理論的にはクリープ破壊時間 tB(対数)と応力σには、次の直線関係がある。

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従って、同図に示した実験線を直線外挿すれば応力に対するクリープ破壊時間を予測することが出来る。逆に、クリープ破壊寿命時間に対応する応力を求めることもできる。

例えば、ある材料について、応力とクリープ破壊時間を測定すると次の結果であった。

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この関係を図2に示す。この実験線を直線外挿して、長時間後における応力とクリープ破壊時間の関係を求めることが可能だ。

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図2 外挿によるクリープ破壊時間の予測

例えば、図3に示すように常時内圧がかかるパイプについて、パイプの周方向に発生する引張応力(「フープストレス」という)は、薄肉円筒の場合は近似的に次式で表される。

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例えば、P=2MPa 、D=Φ20mm、t=2mmとすると、σ=10MPaとなる。図2において応力σが10MPaの場合、外挿線との交点からクリープ破壊時間を読み取ると約87000hrとなり、約10年となる。

次回へ続く

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本間 精一(ほんま・せいいち)

三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数