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3Dスキャナーや3Dプリンタで、プラ博世とプラべくんのフィギュアを作ろう

2021.10.12

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この記事では…

プラ博世とプラべくんのハンドメイドフィギュアから、3Dスキャナーを使って3Dのデジタルデータを起こし、3Dプリンタで造形する過程について紹介します。

(執筆/富山県総合デザインセンター 堂本拓哉)

本記事では、3Dスキャナーと3Dプリンタについて、実際に使いながら解説します。今回は、プラ博世とプラべくんのハンドメイドのフィギュアを3Dのデジタルデータにして、プラスチックの模型を作ってみました。

3Dスキャナーとは

3Dスキャナーとは、立体物をさまざまな方法で計測(スキャニング)し、立体物の凹凸をXYZの座標データとして取得した後、3Dデータに変換する装置です。今回使用する機器は非接触式の3Dスキャナーです。数種類の縞模様(フリンジ)パターンを立体物に投影し、変形したパターンをCCDカメラで撮影および画像処理することにより、3次元空間の点座標としてデータ化していきます。計測時間が短いので、効率よくデータ変換を進められます。

なお、このタイプの3Dスキャナーはパターンを投影する仕組み上、表面反射の強い素材、透明あるいは半透明のものはスキャニングできません。

【今回使用する非接触式3Dスキャナーの仕様】
メーカー: ZEISS
機種: COMET L3D 8M
スペック :画素数 800万画素
測定範囲・点間ピッチ: ①横140×縦105×奥行80mm・0.042mm
②横325×縦240×奥行200mm・0.100mm
測定台の大きさ:直径400mm

 この3Dスキャナーは2種類のレンズを持ち、大きな領域を粗めに計測するか、小さな領域を緻密に計測するかによってレンズを選択します。回転式の測定台を併用すると、立体物の全周をほぼ自動でデータ化することができます。

【今回の測定仕様】
点間ピッチ:0.042mm
測定回数:1体あたり30回(回転ピッチ24度。視野角 俯角・仰角 各45度)
測定時間 :1体あたり20分
STLファイルサイズ:プラベくん=29.2MB、プラ博世=28.4MB
ポリゴン数:プラベくん=306,669 ポリゴン、プラ博世=596,000ポリゴン

 点間ピッチが細かいほど、立体物の凹凸を正確に取得できます。測定視野角や回転ピッチは凹凸の複雑さに応じて設定します。詳細に形状を表現した3Dデータだと、ファイルサイズが大きくなります。簡単に100MBを超えてしまいますので、ファイルサイズに気をつけながら最適な測定仕様を決めましょう

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今回データ化するプラ博世とプラべくんのフィギュアは、白い粘土で作ったハンドメイドのものです。白色で光沢のない粘土は、スキャニングに適しています。

ここでは、手のタッチをきちんとデータ化できるかがスキャニングのポイントになります。データの一部を拡大すると、表面がデコボコしているのが分かりますね。

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このデコボコは微小な三角形で作られていて、これらで構成されるデータを「ポリゴンデータ」と言います。このようなポリゴンデータができれば、3Dプリンタでプリントが可能です。

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3Dプリンタとは?

3Dプリンタとは、薄い層を積み重ねて立体を製作する装置です。3Dデータを指定ピッチでスライスし、その断面形状を1層として積み重ねていきます。今回使用する機器は材料押出堆積方式(FDM)の3Dプリンタです。

今回使用する機種では、直径1.75mmの紐状の熱可塑性プラスチック材料(フィラメント)を半液状に溶かし、直径0.4mmのノズルから断面形状を塗りつぶすように押し出します。形状の輪郭、内部という順に埋めていきます。

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また今回は、造形物の内部を格子状にすることで、造形にかかる材料と時間を節約しています。3Dプリンタって、かしこいですね!

<今回使用する3Dプリンタの仕様>
メーカー Reserved. Raise 3D Technologies
機種 Raise3D Pro2 Plus
スペック 方式 材料押出堆積方式
造形可能サイズ 305×305×605mm
フィラメント直径 1.75mm
押出ノズル径 0.4mm
入力ファイル形式 STL

この3Dプリンタは造形可能高さが600mもあり、かなり大きな造形物を製作できます。長時間の造形においても安定していて、連続80時間以上の造形にも成功しています。寸法精度はケースバイケースですが、±0.05~0.1mmくらいです。

材料価格が安価なため、造形費用を抑えることができますが、造形時間は長めです。

今回の造形仕様
造形サイズ プラベくん:38×40×120mm、プラ博世:51×38×109mm
積層ピッチ 0.1mm
造形材料 ABS
造形時間 15時間30分
使用材料量 56g
造形設定温度 ノズル 250度
ヒートベッド 100度
サポート造形 あり(最大オーバーハング角度 60度)

積層ピッチは通常0.2mmで十分ですが、よりなめらかに造形する場合は0.1mmにします。

今回の造形材料はABS樹脂を選択しました。ABS樹脂は研磨、塗装など後加工に適しています。ただし、高温で押し出すため造形中の反りや積層面の割れが生じることがあります。

今回はヒートベッドを高温に設定し、スティックのりを塗布してベッドと造形の1層目の密着を高めたりすることで、これらのトラブルを抑えることができると判断しABS樹脂を使うことにしました。しかし、根本的な解決が難しいため、反りにくいPLA樹脂を選択するほうがベターなこともあります。

3Dプリンティング最大の難所「サポート造形」

さて、この造形方式の3Dプリンタで最大の難所(と私は考えている)は「サポート造形」です。

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これは3Dプリンタで造形物を作る過程で造形物を支える土台になります。例えばプラベくんのあごの下は宙に浮いた状態です。もしも、サポートがなければ押し出した材料が垂れて造形ができなくなります。そのため、下から順番に造形していくときに本体と一緒にサポートも造形し、あごから上の部分を造形に備えておきます。

サポートは造形中のモデルが崩れないようにするためのもので、造形完了後は不要になります。サポートは簡単に除去できるように特殊な構造で造形していますので、手で引きちぎることができます。しかし、サポートと本体は微妙に溶着した状態なので、サポートの除去は慎重に行いましょう。

【今回の解説のまとめ】
⁠・測定物の表面は、光の反射や透過のない状態にしておこう。
・造形材料は、後加工処理を優先ならABS、寸法精度を優先ならPLAを使おう。
・積層ピッチは、ディテール優先なら0.1mm、造形時間優先なら0.2mmを選択しよう。
・サポートと本体は溶着した状態なので、除去は慎重に行おう。

 執筆/文責 富山県総合デザインセンター 堂本拓哉


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PlaBase編集部
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