LCP(液晶ポリマー)とは? - プラスチック・樹脂の成形材料DB PlaBase(プラベース)
2019.10.02
プラ博世
こんにちは。プラスチックを愛してやまない研究員、プラ博世です。最近、僕が注目しているのはエンジニアリングプラスチックかなぁ…

プラべくん
エンジニアプラスチックが開発されたのは、1970年代だったよね。1980年代には、それ以上にすごいスーパーエンジニアプラスチックというものが登場した。

プラ博世
うんうん。今では、自動車や電子機器の部品などに使うのは当たり前みたいになっているね。

プラべくん
スーパーエンジニアリングプラスチックといってもいろいろあるけど、今日は何を紹介するの?

プラ博世
そうだね…液晶ポリマー(LCP)なんかはどう?

プラべくん
じゃあ、それでいってみよう!
液晶ポリマー(以下、LCP)ってどんな素材なの?
LCPは溶融状態の時に分子の直鎖が規則正しく並んでいる熱可塑性合成樹脂の総称。液晶ポリエステルって呼ばれることもある。
LCPは1974年にアメリカの写真用フィルムメーカー・イーストマンコダックが開発したんだけど、もともとはポリエチレンテフタレートの耐熱性を向上させることが目的だった。日本では1979年に住友化学工業によって工業化されたんだよ。
LCPはパラヒドロキシ安息香酸などを基本構造としているけど、パラヒドロキシ安息香酸の単体ポリマーでは融点が熱分解温度を上回ってしまう。そこで、エチレンテフタレートなどいろいろな成分と直鎖状にエステル結合させて融点を下げるんだ。
製法としては、一般的には溶融重合法が用いられている。
LCPにはどんな特徴があるの?
LCPは自己補強性を持っている。自己補強性とはどういうことか、ちょっと説明するね。
LCPが溶融状態にある時の分子鎖は絡み合いがほとんどなく、一方向に並んでいるんだけど、成形時もそのまま冷却・固化されるので機械強度がすごく良くなるってことなんだ。
絡みの少ない分子鎖だから射出圧が低くても容易に流れるし、固まった時は分子の並びが変わるだけで体質変化も小さいから、成形収縮率も小さくて寸法精度が出しやすいということになる。高流動で固化が早いからにバリが少ない。
そんなLCPの特性は、剛性や弾性は高く、耐熱性、耐薬品性、ガスバリア性などにも優れていること。また、高周波領域での電気特性に優れ、吸湿による寸法や電気特性の変化がないという低吸水性も持っている。
ただ、摩耗性には弱い。ガスバリア性は、PP,PEに少量添加することで大きく向上する。高周波特性も高周波領域での損失が少なく、プラスチックの中ではテフロンにつぐ特性がある。
どんなものにLCPが使われているの?
LCPは電気・電子の分野で多く使われているよ。その中でも、LCPの需要60%以上がPC、スマートフォン、タブレットに搭載されるコネクタに使われている。
そして、LCPを使った電子部品の微細化、高密度化、小型化は、今最も進んでいく。コネクタの他には、カメラモジュール、リレー、スイッチ、ボビン、光ピックアップ部品に数多く使われている。
自動車関係で車のEV化が進めば、電装部品に多く使われ電気特性に優れたLCPがさらに増える。
また、パソコンや複写機など事務機器の内部構造部品、回転機器の軸受け、油圧機構のシールパッキングなど金属部品の代替えとしても幅広く使われるようになってきている。
LCPを使った不織布もあるし、光ファイバー構成材料としても使われていて、これからもますます用途は拡大していくかもしれないね。
LCPの広がる可能性
LCPは、モノマーの種類や組み合わせ次第で、いろいろなタイプのものを造ることができる素材だからね、その優れた特性を生かすことで、今後もスーパーエンジニアリングプラスチックとしての重要な役割を果たしていくと思う。
いろいろな企業で、様々なニーズに合わせた研究開発が行われているけど、LCPはリサイクル時に物性低下が少なく再生使用可能だということも強みかな。環境問題が重視されている今の時代に合っているということも、需要拡大につながるポイントかもしれないね。
今回のまとめ
・LCPは溶融状態の時に分子の直鎖が規則正しく並んでいる熱可塑性合成樹脂の総称。
・LCPはパラヒドロキシ安息香酸などを基本構造としている。融点が熱分解温度を上回らないように、エチレンテフタレートなどいろいろな成分と直鎖状にエステル結合させて融点を下げる。
・LCPは一般的には溶融重合法で造られる。
・LCPは自己補強性を持っている。
・LPCは絡みの少ない分子鎖なので射出圧が低くても容易に流れる。固まった時は体質変化も小さく、寸法精度が出しやすい。
・LCPは剛性や弾性が高く、耐熱性、耐薬品性、ガスバリア性などにも優れている。
・LCPは高周波領域での電気特性、低吸水性に優れている。
・LCPは衝撃や摩耗性には弱い。
・LCPは電気・電子の分野で多く使われている。需要の60%以上がコネクタ。
・LCPを使った電子部品の軽薄、短小化が進んでいる。
・LCPは自動車の電装部品、ショックアブソーバー機構部品などに使われている。
・LCPはパソコンや複写機など事務機器の内部構造部品、回転機器の軸受け、油圧機構のシールパッキングなど金属部品の代替えとして使われるようになってきている。
・LCPは不織布、光ファイバー構成材料としても使われている。
・LCPはモノマーの種類や組み合わせ次第でいろいろなタイプのものを造ることができる。
・LCPはリサイクル可能な素材であり、今後も需要拡大していくかもしれない。
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PlaBase編集部
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