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【3】プラスチックの塗装を難しくしている様々な要素を具体化してみよう

2018.10.18

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塗装の世界

「塗装」は”様々な分野の総合力”で成り立っていることの広さや深さを探検することから始まります。これから現地・現場の具体的な要素を織り込んで論説を展開してみます。

まず、塗装の世界は塗料が液体、塗膜が個体、塗料の構成成分が気化飛散して気体の挙動をします。

この3態が、加工工程で短時間且つ急激に変化します。このため、塗料がどのように変化して、具体的にどのような状態を経て変化をするかをできるだけ学習して理解しておきましょう。特に塗料という液体から塗膜という個体に変化する過程の状態を経時的に観察して認識しておくことで、様々なトラブル対策のヒントを見つけ出すことができます。

ところで、ひと口に塗装と言っても、多種多様の方法があります。そこで、プラスチック塗装で最も多用される有機溶剤型の塗料を使って、スプレー塗装を中心にして作業をするための論説を組み立てて進めてみます。

スプレー塗装のメカニズム

スプレー塗装の最も解りやすいメカニズムは、花に花粉を付けるために使う園芸用の霧吹きです。

これは、エアガンやエアポンプの小さなエア吹き出し穴〔A〕に、直角の向きに接して細い管〔B〕を設置して、この管を一体取付した液体タンク〔C〕に落とし込んで、エアガンやエアポンプから高速のエアを吹き出すと、液体タンク〔C〕から細い管〔B〕を通って吸い出された液体が、エア吹き出し穴〔A〕から出る高速のエアで霧化されてエアの進行方向に飛んで行くという簡単なメカニズムです。

逆に、簡単だからこそ難しくなるという反面があり、これが塗装を難しくする根本的な原因でもあります。

その難しさを紐解く前に、塗装の世界ではどのような困り事があるのでしょうか?これを具体的に洗い出してみましょう。

 

 注意すべき点

そもそも塗装は技術でもあり技能でもあります。そして、何と言ってもビジネスですから気をつける点がいくつかあります。

◆良い製品・美しい製品を、(お客様の要求性能・品質、外観等)
⁠◆効率よく、(生産スピード)
⁠◆決められた(製造)原価以下で(不良率・ロス)
⁠◆品質・納期必守で納品(生産計画)


この中で、プラスチックの塗装において最もやっかいなものが不良品・発生率です。特に不良は様々な原因があって、しかも複雑に絡み合うことがあります。

しかも、それらを根絶することが難しいうえに、対策ができたと思っても直ぐ再発しがちです。不良率が増えれば良品の必要数が確保できなくなって作業時間を増やさなければなりません。

最悪の場合、ラインや工場が根負けして疲労困憊し、製品を決められた日時に決められた数だけ納入ができなくなることもあります。このような状況に陥らないためには以下のことが重要です。

 
①素材であるプラスチックの性質を良く知り、最適な扱い方を熟知し、やってはいけない扱いをしないこと、やらなければならない扱い方を徹底して実施することが大事です。そのための準備として次の知識を熟知して臨みましょう。

 

・プラスチックは基本的に絶縁物であり、静電気を起こし易く溜めやすい。

・静電気が溜まっているモノにはホコリが集まり、しつこく付着し続けてゴミ・ホコリ不良になりやすい。

・静電気を除去し、ホコリを除去するにしても、最適な拭き取り材と拭き取り方法があることを学習して、2次的不良原因をつくらない作業を進めなければならない。



②塗料(シンナー・硬化剤・洗浄剤等を含む)を出来る限り良く知り、最適な扱い方・使い方を熟知し、やってはいけない使い方。

 

・扱いをしない良く知り、最適な扱い方・使い方を熟知し、やってはいけない使い方・扱いをしない。

・プラスチックは一般的に塗料に含まれる内部溶剤やシンナーによって表面が荒らされたり、微小~大きなクラックの欠陥が生じる可能性がある。このため、塗装仕様書に指定されたシンナーの種類と希釈範囲を守る。

・塗料及びシンナーにも静電気を帯びやすい種類があり、ホコリを引き付けやすい傾向が強いものがある。

 
③塗装ブース及び関連・周辺装置類の性質を良く知り、最適な扱い方を及びセッティングを熟知し、やってはいけない扱いやセッティングをしないこと、やらなければならない扱い方やセッティング等を徹底して実施する。

 

・給気の量と排気の量のバランスをキープして操業することは、塗装を行うために最適な作業環境づくりの基本中の基本である。且つ、ホコリ対策に必要不可欠で重要な管理項目でもある。

・塗装とは、綺麗な塗装ブースの中で、綺麗な素材を綺麗な受け冶具に載せて(吊って)、綺麗なスプレーガンを使って塗料を吹き付けて塗装をすることである。

・スプレーした塗料は通常のエア霧化スプレー法では、製品に20%ほどしか付着しない。すなわち塗着率はせいぜい20%であり、約80%の塗料は排気に混じってブースで捕集されたり、塗料ミストとなって受け冶具や塗装ブースの壁面や床面、天井面等に付着する。この結果、もともと綺麗な受け冶具や塗装ブース、コンベア等を汚すことになり、上手な清掃をしないと、塗料ミストそのものがホコリ不良の原因になる。

 
④チームワークを大切にして、チームでモノや環境を綺麗に維持し続けることが大切です。このような人を育て、チームの各人が相互に敬意を持てる集団になることが、絶え間ない不良削減と安定生産が維持できて、活気あふれる職場づくりの大切な要素になる。


⑤品質は工程で造り込み、後工程には良品であることを保証して引き取ってもらう。

・成り行きで後工程に送り出すとか、流すのではない

 

以上の点に気をつけてプラスチック塗装を進めて行きましょう。

 

 

Part2はこちら

【2】塗装と似たような加工方法/処理方法があるか? それはどのようなものか?

 

この記事のPart1はこちら

【1】プラスチックをなぜ塗装をするのか? 何を期待して塗装をするのか?


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PlaBase編集部

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