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プラスチック素材を芸能人にたとえてみた(前編):初めてプラ製品を作る人に伝えたいこと(7)

2022.03.16

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この記事では…

プラスチック素材の特性について、芸能人にたとえながら解説します(前編)

(執筆:林光邦/株式会社テクノラボ 代表取締役)

「プラスチック素材」の名前ってややこしい……

今回から、「素材の選択」について解説しようと思います。

「プラスチック」と一括りにされることが多いのですが、プラスチックにも実は多くの種類があります。

ABS、アクリル、PET、ナイロンなど、聞いたことはありませんか? この名前がややこしくて、「正式種別名」と「略称」とがあります。

正式種別名は化学式によって決まる英語/カタカナの名前で、略称はそれをアルファベット2または3文字で簡潔に表したものです。例えばポリカーボネートという素材は「PolyCarbonate(ポリカーボネート)」が正式種別名、その略称を「PC」と言います。これに加えて、「製品名」があります。プラスチックの各素材メーカーが、材料(正式種別)それぞれに付けている、要は自社ブランド名のことです。

さらに、プラスチックの名前には「通称」があり、これは少しややこしいです。通称は正式種別名のこともあれば、略称や、製品名のこともあります。

例を挙げましょう。

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ある会社のブランドが強い時は「製品名」が通称に、そうでない時は正式種別名や略称が通称になるようです。このようにプラスチックには、同じものでも名前がたくさんあるので、この連載では正式種別名と略称のみを使って説明を進めていきます。

プラスチック素材ごとの特徴(分かりづらいから擬人化してみたよ!)

プラスチックの素材が持つ機能は、イメージがわきづらいですよね?

そこで、少し思い切った試みですが、皆さんに覚えてもらいやすいように、各素材を擬人化してみました。もちろん、私が各芸能人さんを個人的に存じ上げているわけではないので、あくまで一視聴者のイメージとして受け取っていただきたいです。激しく独断と偏見に満ちているので、ファンの方は異論もあろうかと思いますが、記憶に残りやすくするためのギャグだと思ってご容赦ください。

① アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)=石原さとみ

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多くのプラスチック外装でABSが使われています。ペン類、オーディオケース、キーボード、テレビの筐体などなど。皆キレイで見とれてしまいます。

そして、石原さとみさんって、万人受けする感じでキレイですよね? それに、個性ある役でも何でも無難に演じてくれるので、監督さんとしてはありがたいのかもしれません(作りやすいです)。あと、簡単にスキャンダルに巻き込まれません(壊れにくいです)。またABSは樹脂の中で唯一メッキが出来る素材でゴージャスになります。石原さん以外では、綾瀬はるかさんでもよいかもしれません。

② ポリスチレン(PS)=AKB48、アクリルスチレン(AS)=乃木坂46

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PSは、マックのオモチャや安いショーケース、100円ショップの雑貨などで良く使われる素材です。割れやすい点は難ですが、発色と透明度は素晴らしい素材です。

PSは、「AKB48」や「乃木坂46」のメンバーだと思います。キレイな方がそろっていますが、いかんせん良くスキャンダルに巻き込まれるなぁと思いますし(外力で壊れたり)、ちょっとした刺激(アルコールなど)で自滅したり(ヒビ割れたり)します。また、比較的ギャラが安い(単価が安い)です。

強いて言えば、やや生命力がある(壊れづらい)PSがAKB48で、キレイだけど線が細いASが乃木坂46のイメージでしょうか。

マックのオモチャや安いショーケース、100円ショップの雑貨などで良く使われる素材です。割れやすい点は難ですが、発色と透明度は素晴らしい素材です。

③ ポリメチルメタクリレート(PMMA)=菜々緒

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PMMAは、通称で「アクリル」と呼ばれている素材のことです。液晶パネルのように光を通す部分にも使われますし、高級なショーケース、トロフィーなどにも使われています。

PMMAは、性格悪そう(割れやすい)だけど、それ以上の魅力があって魅き込まれてしまう素材ですね。ものすごい美人(プラスチック中最高の透明度)で、昼でも夜でも映える(耐候性抜群)のですが、凄く性格が悪そう(凄く割れやすい)な点にだけは注意が必要な素材です。これは、悪女役でブレイクした菜々緒さんしか思いつかなかったです。

ただPMMAの中にもアクリルゴムを混ぜることで、美しさ(透明度)は若干劣るけれど少し性格が改善された(割れにくい)物の方が、より多く流通しています。これなんかは「叶姉妹」って感じでしょうかね。

④ ポリカーボネート(PC)=米倉涼子・藤原紀香

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美しく(高透明)、超絶にタフなポリカーボネートは米倉涼子さんか藤原紀香さんです。「私失敗しないので!」とか、言いだしそうな素材なんです。耐熱性も抜群で、普通の女優なんかには耐えれない熱を平然と耐えてしまいますし、明るい陽射しでも美しさが変わりません(耐候性抜群)。唯一の弱点は、同類の油(夫婦)の中でゆっくりストレスが掛かったりすると、離婚(自壊)してしまう点ですね。

それから高飛車(耐熱が高い)ので、他の色を付けづらい(着色しにくい)点なども監督(成形工場)からすると使いづらい点があるのも否めません。

(次回へ続く)


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林 光邦/(株)テクノラボ代表取締役

⁠東京都立大学3年在学時に実家のプラスチック工場に入社し、そのまま社会人経験をスタートしたものの、数年後に倒産し廃業。その後、創業したばかりの株式会社エヌシーネットワークに入社。同社で工場のプロモーションと業務委託のための工場監査を担当し、300を超える町工場を訪問。

⁠2004年、33歳で株式会社テクノラボを創業。平均年間60~80件程度の製品開発を行う。台湾企業とコラボして作った「foop」、インド製薬企業向けの医療機器開発、国内ベンチャーと協働した3Dホログラム造影端末など、黒子に徹しながら現在も多くの新製品開発に関わる。2018年より海洋ごみのリサイクル事業にも参入。

⁠神奈川ビジネスオーディション最優秀賞など、ビジネスコンペティションの受賞多数。

趣味は、犬の散歩とごみ拾い。