金型の内部に温度調整のために設置する「冷却回路」について解説します。
冷却回路の設定方法:射出成形の基本(13)
2021.12.21
この記事では…
(執筆:落合孝明/モールドテック)
金型で良品を成形するためには金型の温度管理も非常に大切になってくる。そのため金型の内部には温度調整(温調)のための「冷却回路」を設定する必要がある。
言い方として冷却回路ということが多いが、実際には冷やすというよりは温度を調節するという意味合いが強く。回路に流すものは水に限らず、お湯や油を流すこともある。また、場合によってはヒーターを設定することもある(図1)。

図1:冷却回路
金型の温調の中で最も一般的な機構が金型に横から穴を通して水やお湯などを流す方法だ(図2:便宜上、今後は水で統一する)。この横穴だけで十分な場合もあるが、製品形状によってはこの横穴だけだと不十分な場合もある。

図2:横穴
例えば、図の丸の付近は横穴から遠いため冷却効率はどうしても悪くなってしまい、横穴から近い部分と遠い部分では金型に温度差が生じてしまい成形が安定しない可能性が出てくる。特に成形サイクルの多い製品では金型の温調は非常に重要で丸が付いた部分にも冷却回路を設定する必要がある(図3)。

図3:冷却タンク
このような場合には金型の底面から製品に向かって図のような穴を開け、金型内部の冷却効率を一定にするとよい。ちなみにこの様な穴を冷却タンクという。なお冷却タンク内に水を上手く流すためには、タンクにバッフルボードと呼ばれる仕切板を入れる必要がある。仕切板を設定することで図のように水がスムーズに流れるようになる(図4)。

図4:バッフルボード
金型の温調は表に出てくることはないが良質な製品をできるだけ早いサイクルで成形するために必要となる重要な項目なのでしっかりと設定する必要がある。
(次回へ続く)

