「CMF」とは何かについて、また芸能人にたとえて解説します。
CMFって何?――色と質感について芸能人でたとえてみた:初めてプラ製品を作る人に伝えたいこと(9)
2022.04.04
この記事では…
(執筆:林光邦/株式会社テクノラボ 代表取締役)
前回、プラスチック素材の特性について、芸能人にたとえて説明しました。今回も引き続き芸能人をたとえに使って解説を続けていきます(前回、前々回の解説をまだご覧いただいていない方は、まずそちらから)。
今回、プラスチック素材に関して、もう1つだけ知ってほしいことがあります。それが「CMF」というキーワードですが、カラー(C)、マテリアル(M)、フィニッシュ(F)を指す単語です。プラスチックではその3つが製品の印象や機能を大きく決めるため、材料の選定にあたってはCMFにも配慮が必要とされていて、近年プロダクトデザインで良く使われるようになりました。

1.カラー(Color)
芸能人にとって、キャラは最初に抑えるドメインだと思います。プラスチックにとってのキャラは「色」だと思います。
プラスチックの長所は、金属や木材と異なり、素材を自由に着色出来ることです。自由に製品の色を変えて、望みのデザインを実現できる良さがプラスチックにはあります。 だからプラスチック産業では色の重要性が常に議論されています。
そしてここに一点注意が必要です。 プラスチック製品の色は、毎回自分たちで調色しなくてはならないのです。 プラスチック製品の製造で、トラブルのトップ3に常に色の問題が出てくることは知っておいて損はないですよ。
2.マテリアル/材質(Material)
芸能界で生き残るには、本人の性格が大きく左右します。ストレスの多い世界ですから、ヤワな性格(材質)の芸能人では、すぐに潰れてしまうでしょう。
マットさや光沢など、素材の質感(美人感)は材質(性格)から出てきていると多くの人が思っていますが、実は違います。プラスチックの性格(材質)の違いは美人感(質感)には余り影響がなく、耐熱や強度などのほぼ機能面のみに影響しているのです。もちろん透明な素材や、極端に柔らかい素材のシートなどでは性格(材質)の違いが美人感(質感)に影響することはありますが、基本的にはプラスチック材質(性格)そのものは、美人感(質感)と関係がない点を理解しておいてください。
3.フィニッシュ/表面仕上げ(Finish)
「ああ、この女優(製品)すっごいキレイだなぁ」とか思っている、そこのあなた! 元々の素材じゃなくて、整形しているかもしれませんよ!? 素材の表面をきれいに仕上げる美容クリニックが、日本には数多くあります。
プラスチックにとっては、成形が大事です。性格(材質)の代わりに芸能人の美人感(質感)を出すのが、整形=金型の表面仕上げ(Finish)です。金型をピカピカに磨けば製品はギラギラとした光沢を放ち、逆に細かな凹凸を付けると、マットで妖艶な雰囲気を醸し出すことになります。
前回まで解説した材料の機能と、今回CMFに注意しながら製品を作ることで、読者のあなたも納得できる製品プロデュースが出来るでしょう!
林 光邦/(株)テクノラボ代表取締役
東京都立大学3年在学時に実家のプラスチック工場に入社し、そのまま社会人経験をスタートしたものの、数年後に倒産し廃業。その後、創業したばかりの株式会社エヌシーネットワークに入社。同社で工場のプロモーションと業務委託のための工場監査を担当し、300を超える町工場を訪問。
2004年、33歳で株式会社テクノラボを創業。平均年間60~80件程度の製品開発を行う。台湾企業とコラボして作った「foop」、インド製薬企業向けの医療機器開発、国内ベンチャーと協働した3Dホログラム造影端末など、黒子に徹しながら現在も多くの新製品開発に関わる。2018年より海洋ごみのリサイクル事業にも参入。
神奈川ビジネスオーディション最優秀賞など、ビジネスコンペティションの受賞多数。
趣味は、犬の散歩とごみ拾い。

