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チタン酸カリウム繊維入り3Dプリンタ用材料のロボット部品への適用:PR

2022.03.30

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大塚化学が開発した3Dプリンタ用フィラメント材料は、チタン酸カリウム繊維「ティスモ」を熱可塑性樹脂に配合した樹脂複合材料「ポチコン(Potassium Titanate Compound)」の機能を持ちながら、一般的な熱溶解積層(FDM、MEX) 方式の3Dプリンタでの使用が可能です。造形性、精度、強度、剛性が向上し、長時間造形も可能となります。 

現在3Dプリンタ用樹脂材料として、射出成型用材料と同じ材質の樹脂をベースに、機械強度、剛性を高めるためにカーボンファイバーなどの強化繊維を配合した材料開発が行われています。熱溶解積層方式3Dプリンタを用いて機構構造部品や駆動部品など精度の要求が高い部品を造形する場合、後加工なしでスムーズにモジュールを動作させるためには3Dプリンタのノズル径を小さくして造形する必要があります。小径ノズルで一般的な強化繊維を添加したフィラメント材料を使用する場合、繊維が3Dプリンタのノズルを攻撃して内部が摩耗し吐出量が不安定となることや、ノズルが詰まりやすくなるなど、安定した長時間の造形が難しくなる傾向があります。それらの課題に対して大塚化学は樹脂材料にティスモを配合した材料を開発し、課題を解決しました。

チタン酸カリウム繊維「ティスモ」、樹脂複合材料「ポチコン」に関して

チタン酸カリウム繊維は一般式K₂O・6TiO₂やK₂O・8TiO₂示される人造鉱物繊維で、耐熱性、断熱性、耐薬品性に優れていますので、樹脂等の補強材、ブレーキパッド用摩擦調整材、フィルター、耐候性塗料などに使用されております。

大塚化学のチタン酸カリウム繊維「ティスモ」は平均繊維長10~20μm、平均繊維径0.3~0.6μmの微細な繊維で、高強度、高弾性率、高アスペクト比といった特徴がありますので、優れた補強性能を示します。また、材料の硬さの指標となるモース硬度は4で、アルミや鋳鉄と同等の硬さですので、摩擦摺動時に相手材を削らない特徴を持ちます(写真1、表1) 。

表1 チタン酸カリウム繊維の性質

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写真1 ティスモD(8チタン酸カリウム繊維)のSEM写真

ティスモを配合した樹脂複合材料として、大塚化学は射出成型部品向けのペレット「ポチコン」を製品化しております。ティスモの優れた特性と各種エンジニリングプラスチックスの特性をうまく組み合わせた複合材料で、従来困難とされていた超薄肉成形や超精密成形を可能にしたほか、ガラス繊維や炭素繊維の弱点である表面平滑性の悪さを改善することが可能です。さらにティスモの持つ低モース硬度という特性により、摩擦を伴う用途において相手材に対しての攻撃性が低いため、摩擦摩耗特性を向上することが可能です。ポチコンの特徴は上記以外にも優れたリサイクル性、寸法精度と安定性、容易な成形加工性などがあり、他の材料では達成できない種々の特性を示します。ポチコンは高い寸法精度、耐熱性、耐久性が求められるOA機器部品、自動車駆動部材、スマートフォン、カメラ、モーター部品などさまざまな用途があり、特に精密部品用途においては寸法精度と強度のバランスが要求される樹脂ウォッチギヤなど、高機能部品に用いられています(写真2)。

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写真2 ポチコンのウォッチギヤでの適用例:先端までのミクロ補強や摺動性から採用されている

チタン酸カリウム繊維入り3Dプリンタ用フィラメント材料

チタン酸カリウム繊維入り3Dプリンタ用フィラメント材料(以下ポチコンフィラメントとする)のベース樹脂は植物由来ポリアミド(LEXTER:三菱ガス化学製)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などがございます。フィラメント径は一般的に普及しているφ1.75mmのものをご用意しております。現在5種類のグレードを取りそろえており、ポリアミド系は強度と耐衝撃性のバランスが取れたNTL34M、高強度グレードのNTL36、PPS系は高精度、高耐熱性グレードのRT4、さらに帯電防止機能を有するRT4Eがあり、PEEK系はKT14がございます。(表2)⁠

表2 ポチコンフィラメント ラインアップ

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ロボット部品の造形例

日本大学 理工学部の入江寿弘教授に協力を仰ぎ、ポリアミド(LEXTER)にティスモを20%添加したフィラメントNTL34Mを用いて自走式小型ロボットを制作しました(写真3、写真4、写真5)。⁠


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写真3、4、5
⁠自走小型ロボット(フィラメント材料:NTL34M (LEXTER/ティスモ20%))

これらは内部のギヤ部品などもすべて3D造形品ですが、寸法精度が高いため、各部品を追加工なしで組み上げても動作し、強度も高く耐久性があります。

最近では、東京工業大学工学院の遠藤玄教授が研究しているクモ型4足歩行ロボット(写真6)において、実際に自重を支え機能する高強度部品として、ポチコンフィラメントNTL34Mを用いて造形した機構構造部品やプーリなどの種々の駆動部品を製作しました。

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写真6 4足歩行ロボット(フィラメント材料:NTL34M (LEXTER/ティスモ20%))

4足歩行ロボットの全重量は約14~15kg程度あり、モーター、減速機、バッテリーを含めると10㎏超を占めるため、電力消費量削減から機構構造部品をできる限り軽量化することが望まれます。これに対して積層造形用ポチコン材料を用いた造形による部品軽量化というアプローチで検討を行いました。

ポチコンフィラメントで3D造形した脚関節部品を搭載したクモ型ロボットにおいて、従来の金属部品を多用したロボットと遜色なく歩行できることが確認できております。ポチコンフィラメント造形部品は写真5の通り白色の部品全てとなっており、大型部品も安定的に3D積層造形を行うことができ、大幅な軽量化を実現できました。3D積層造形の利点は、早いタクトタイムで再検討し設計変更して、修正を加えた実用部品を製作できることにあります。

脚関節部品で従来使われていたアルミの曲げ加工やポリアセタール樹脂のブロックの削り出しなどの手法では、加工費用が高価で形状の制約が多いうえ、加工に1カ月以上の時間がかかるため、学生の論文作成までに検討・修正のプロセスを重ねることが難しいことが課題でしたが、3D造形により、速いサイクルタイムでの修正・フィードバックというサイクルが回せる強みがあり、開発者、特に限られた期間で研究し論文を発表しなくてはならないアカデミアからは、非常にうれしい利点として評価されています。

また、例えば回転部の玉軸受を収めるベアリングホルダー(写真7)は、造形後に軸受を挿入したものですが、圧入ですき間なく装着がなされており、後加工が必要のない寸法精度での造形が可能で、実用に耐える強度が確保できています。

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写真7:ベアリングホルダー(フィラメント材料:NTL34M (LEXTER/ティスモ20%))

4足歩行ロボットの現モデルでは金属製の減速機を採用しておりますが、さらなる軽量化によるエネルギー消費削減といった点から、減速機の樹脂化も検討を行っております。ポチコンフィラメントを用いて高い耐久性と高い寸法精度を持つ遊星歯車(写真8)やサイクロイドギアなどを造形・提案し、現在、東京工業大学で評価・検討を進めていただいています。

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写真8:遊星歯車(フィラメント材料:NTL34M (LEXTER/ティスモ20%))

ポチコンフィラメントで精密造形も可能に

ポチコンフィラメントを用いて3D積層造形を行うことで、寸法精度、強度、耐久性が向上し、精密造形も可能となりますので、試作品の造形にとどまらず機構構造部品や駆動部品などの精度を要求される実部品や生産工程用部品、治具として使用されることを期待しております。今後もお客様がお困りの課題を解決すべく、材料の力を生かした高付加価値製品をお客様と一緒に開発していきます。

お問い合わせ

本記事に関する詳細情報やサンプル提供に関するお問い合わせは、下記までお願い致します。
大塚化学株式会社
https://www.otsukac.co.jp/
⁠担当者:米津友希郎
⁠メールアドレス:Yonezu.Yukio.a@otsuka.jp
⁠電話番号:03-5297-2727

提供:大塚化学株式会社

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