プラスチック製品に色を付けるための、着色剤について解説する。
プラスチックと着色剤:プラスチック材料の基礎知識(11)
2022.02.28
この記事では…
(執筆:本間精一/本間技術士事務所)
プラスチックは着色成形材料(ペレット)を用いて成形すれば着色製品が得られる利点がある。プラスチックに使用される着色剤には染料、無機顔料、有機顔料などがある。要求される色相によってこれらの着色剤を適切な比率で配合して着色する。
染料はプラスチックに溶解させて着色するもので、主にPS、PMMA、PCなどの透明材料の着色に用いられる。
無機顔料は光の遮蔽性があるので不透明品の着色に用いられる。耐熱性、耐候性などに優れているのでプラスチックの着色に広く用いられている。代表的な無機顔料にはチタンホワイト(酸化チタン)やカーボンブラックがある。
有機顔料は種類も多く、色相域も広く、一般に鮮明で着色力もあるため有彩色の着色顔料として用いられる。アニリンブラック系、フタロシアニン系、アントラキノン系などがある。
一般的に着色成形材料はコンパウンディングで着色剤を練り込んで製造されるが、それに先立って指定された色相に仕上がるように着色剤の配合比率(レシピ)を決める必要がある。指定色相に仕上がるようにレシピを決める作業を調色という。標準色品は着色メーカーでレシピを決めるが、客先からのオーダーメイドの着色材料は図1に示すように行われる。

図1 オーダーメイドの着色手順
- 客先が着色メーカーに色相見本を提示する。
- 着色メーカーにおいて、色相見本に合うよう着色剤配合を決める(調色)。
- 調色見本を客先に提出する。
- 客先では、提示された色見本が指定色に適合していれば承認される。
- 承認されない場合は再調色する。
- 承認されれば、レシピが決定する。
- レシピに基づいて、着色成形材料を製造する。
一方、着色していない材料(自然色材料)を用いて成形現場で着色する方法にはマスターバッチ法、ドライカラ―法、液状カラ―法などがある。
マスターバッチ法は高濃度に着色剤を練り込んだマスタ―バッチペレットと自然色材料を指定の色相に仕上がるように適切な配合比率で混合し成形機で溶融混錬して成形する方法である。
ドライカラー法は、着色剤と分散剤を混ぜた粉末着色剤を自然色材料に混合して成形する方法である。
液状カラー法は顔料に高沸点有機溶剤および分散剤を混ぜた液状着色剤を成形機のシリンダ途中から直接に定量供給して指定の色相になるように成形する方法である。
着色ペレット法とマスターバッチ法、ドライカラー法、液状カラー法の比較を表1に示す。
表1 各種着色法の比較

着色ペレット法の場合はコンパウンディング工程で溶融混錬するので色相ばらつきは少ない。一方、マスターバッチ法、ドライカラー法、液状カラー法などはコスト低減にはなるが、色相バラツキしやすいので注意しなければならない。
(次回へ続く)
<過去の記事>
本間 精一(ほんま・せいいち)
三菱ガス化学、三菱エンジニアリングプラスチックスにおいてPC,POM,変性PPEなどの研究開発に従事。退社後は技術士事務所を開設。プラスチック全般の技術コンサルティングや執筆活動を行っている。著書には「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社)、「プラスチック材料大全」(日刊工業新聞社)、「設計者のためのプラスチックの強度特性」(丸善出版)他多数





